愛媛県教育委員会が県立中高一貫校三校と擁護・ろう学校での扶桑社版の歴史教科書の採択を決定したとのこと。予想されていたこととはいえ、暑苦しい夏がますます暑苦しくなった気分。今回の改訂で公立校で扶桑社版の歴史教科書を選んだのは、愛媛県教委と都教委などごくわずか。県内各市の教育委員会はもとより、全国の九九%の公立学校がこの教科書を採用していない。独自の教育思想で建学された私立校を別にして、愛媛県の中高一...
なんとも不思議な解散と総選挙である。内閣不信任案が可決されたわけではない。郵政民営化関連法案が参院で否決されただけのことだ。自民党内の意志不統一で否決されたわけだから、法案提出までの党内での議論が足りなかったということになる。衆院では可決されたわけだし、参院与党内では継続審議扱いとする妥協案も検討されたのに、小泉首相は強行突破で衆院の解散を選択した。小泉首相は郵政民営化を内閣の最優先政治課題と位置...
父の家系は歩みが遅い。父は明治38(1905)年の巳年生まれで、昭和28年(1953年)の巳年生まれの筆者とはちょうど四回り離れていた。わが家は父母ともに戦後の再婚で、ぼくは歳がいってから生まれた末子だった。小学校時代、父兄参観で父が顔を見せると、「おじいちゃんが来てるよ」と勘違いされて照れくさかったものだ。十一人兄妹の下から二番目であった父も、祖父が五〇歳のときの子供である。祖父は安政2年(1855年)の生まれ...
二〇年ばかり前、昭和が幕を閉じる前後のことだ。明治末から昭和二〇年代にかけて刊行された新聞や雑誌を毎日、読み通さなければならない時期があった。『昭和二万日の全記録』という昭和史の全集の調査で、一メーター、二メーターと積み上げた古雑誌の山の間で寝て起き暮らす日々が七年あまり続いた。その時代に生きていた人が当時の社会事象をどう受けとめていたのか、後の時代になっての解釈よりも、その時点の記録を優先して再...
米大リーグ(MLB)が開催を発表した野球W杯「ワールド・ベースボール・クラシック」に日本が参加するのかどうか。7月22日(2005年)、日本プロ野球選手会はW杯の開催時期がシーズン入り直前のキャンプ中であり、またMLBが一方的に開催を企画した大会であるとして、大会参加を見合わせるという総会決定を発表した。野球界というのは、国内でも、また対外的にも足並みをそろえることができない世界のようである。おらがチーム...