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ドイツW杯 ファイナルドロー・レポート

月曜日にライプチヒから帰国。
ロンドン、ライプチヒとほとんど睡眠時間なく、ヨレヨレフラフラで帰国。今日から世界クラブチャンピオンズ選手権TOYOTA杯の取材に入ります。

ファイナル・ドローについてのNews Mail、少し遅くなりましたが、お届けしましょう。

Group A ドイツ コスタリカ ポーランド エクアドル
Group B イングランド パラグアイ トリニダードトバゴ スウェーデン
Group C アルゼンチン コートジボアール セルビアモンテネグロ オランダ
Group D メキシコ イラン アンゴラ ポルトガル
Group E イタリア ガーナ アメリカ チェコ
Group F ブラジル クロアチア オーストラリア 日本
Group G フランス スイス 韓国 トーゴ
Group H スペイン ウクライナ チュニジア サウジアラビア

まず、日本、いいグループに入ったんじゃないかな。
あと残り3つになったときに、Group Gに入らないかなと思ったりもしましたが、高さとディフェンス力のあるスイスより、クロアチアのほうが日本向きかなということを考えると、悪いドローではなかった。

少なくとも、Group B(イングランド、スウェーデン)、Group C(アルゼンチン、オランダ)、Group E(イタリア、チェコ)といった、いわゆる「death group」に入らなかったのは幸運でしょう。
Group Fは1強3並びのグループです。2位抜けのチャンスは日本にも十分にある。
試合の順がオーストラリア、クロアチア、ブラジルとなったのは、日本にとってはとてもありがたい順でしょう。
ドロー直後に、ジーコに
「ショッキングなドローだったか、望ましいドローだったか?」
と聞いたら、ちょっと考えたうえで、
「決してショッキングな結果ではない。どうせどこかでブラジルと当たるのであれば、一度、対戦してしまえば、もう対戦することのないグループリーグで当たるのはいいことだと思う」
と答えました。

日本にとってやや気がかりなのは、開催地の気温かな。
第1戦がカイザースラウテルン、第2戦がニュルンベルク、第3戦がドルトムント。
第1戦と第2戦が午後3時開始に決まりました。
カイザースラウテルンはやや高地にありますが、ニュルンベルク、全開催地のなかでいちばん気温が上がります。98年フランス大会での第2戦、ナントでのクロアチア戦と同じように高温下での試合になるでしょう。
今年のコンフェデ杯時の夕方6時開始の試合でも、開始時の気温は33度くらいありましたから、35度近い猛暑下の試合になりそうです。

ジーコに、
「ニュルンベルクの暑さを考えると、キャンプ地の再検討は?」
と聞いたのですが、
「よく検討してみたい」と答えたものの、結局、日本協会はキャンプ地をボンにすると最終決定しました。

暑さ対策という点では、クロアチアも同じ条件になるでしょう。ただし、98年のときのクロアチアと違い、あのときのクロアチアはベテラン選手がそろったチームで、暑さバテしましたが、今回は若い選手がそろっているので、日本が暑さでは有利というわけにはいかないかなあ。

くせ者はやはりオーストラリアのヒディング監督です。
「2002年までの日本チームについては、選手も、日本の戦い方も知っているが、4年経って、チームもずいぶん変わってきているので、日本戦についての対策はこれから考える。第1戦の日本戦に照準を合わせて全力を出して勝ち点を狙う」
と答えました。

クロアチアのクラニチャル監督、この監督のコメントはドイツ語でのやりとりなのでお手上げなのですが、ドイツの記者に訳してもらうと、
「このグループでOKだ。たしかにブラジルという最大の強敵と同じグループにはなったが、いまのチームは最高の精神状態(スピリット)で今回のW杯にのぞめるので、十分、われわれにもチャンスがある。日本はテクニカル・スキルも高いし、早い攻撃をしかける能力のあるチームだし、オーストラリアはイングランドでプレーしている選手が中心のW杯レベルのチームだ。日本もオーストラリアも侮れないライバルだが、われわれがクォリファイするためには、日本とオーストラリアとの戦いに全力を尽くして、彼らよりも上にいることだ」
との答え。

イランのイバンコビッチ監督(クロアチア人)がそばにいたので、彼は98年のクロアチアチームのコーチでもありましたから、日本とクロアチアの対戦について、感想を聞いてみました。
「アジア予選でもずっと戦ってきたので、現在の日本チームとクロアチアを客観的に見ると、両チームの力は拮抗している。どちらにもチャンスがある。問題は、日本とクロアチアではサッカーのスタイルが違うということだ。どちらのスタイルでサッカーをすることができるか、主導権を握るか、そこがポイントになるだろう」

ブラジルのパレイラ監督。ブラジルは衆目の一致する優勝候補です。
「W杯というのはブラジルにとっても容易に勝ち上がれるだろうというようなトーナメントではない。われわれのグループでも、ヨーロッパ予選で一敗もしないでクォリファイしてきたクロアチア、ウルグアイという南米の強力チームに勝ってきたオーストラリア、コンフェデレーションズ杯でわれわれと引き分けた日本、どのチームも実際、手強いチームなんだ。日本はW杯に6回も出場している強豪だし、タレントもそろっているし、テクニカル・スキルもあるチームだ。ジーコという素晴らしい監督もいる。ただ、われわれはグループのなかでまず早くクォリファイすることをめざす。それはわれわれの持っている力を出し切れば、十分やれるだろう」

パレイラ監督、日本がW杯に出るのは3回目だということを知らないんだなあ。韓国と勘違いしてる。
パレイラ監督が勘違いするくらい、日本のレベルが急速に上がってきたし、コンフェデ杯でもいい勝負をしたというのが、そういう勘違いを引き起こしているというのは、事実です。
どの監督も、また各国ジャーナリストも、「日本はいい監督がいる。経験のある監督がいる」と、ジーコを評価しています。日本の記者の見方とは逆です。ジーコがプレーヤーとしてカリスマだったのは事実ですが、そのカリスマ性が監督となった現在、世界的には過大評価されているように感じますね。ただ、ジーコは恐いというイメージを相手が持ってくれるのは、それはそれで神経戦としては有利です。

ポルトガルのフェリペ監督(前ブラジル監督)は、ブラジルについて、
「パレイラがなにをしなくても、ブラジルは勝ち上がっていくさ。あれだけ素晴らしい選手たちがそろっていて、パレイラがなにをしなければならない? なにも心配ない。ブラジルは(ファイナルまで)勝ち上がる」

ブラジルの慢心が初戦、クロアチア戦に出ないことを祈りましょう。前回2002年の初戦で、トルコに先取点を取られています。トルコは対ブラジル戦の1点が効いて、グループリーグを突破していますからね。
オランダでのWユースで、日本が勝ち点2でグループリーグを突破したようなケースもあります。
「1強3並び」というグループでは、1強が勝ち点「9」、残り3チームが勝ち点「2」で並ぶなどというとんでもないこともありえます。1点でも余計にゴールを奪うことが大事になるはずです。

ついでにドロワーのひとりとなった中山雅史選手の話。
ドローの朝、ホテルのフィットネスルームで、自転車こぎで汗を流しているゴンに話を聞きました。
次の天皇杯の試合(24日の準々決勝)に出るために、肋骨を折っていても、ゴンは体を絞っています。38歳でまだトップにいる秘訣はこういうところにある。
「98年は初めてのW杯出場だったから、ポイントなしでも許されたかもしれない。祭りで終わっちゃった感じですよね。2002年は自国開催という利点があったんだから、ベスト16か、もうひとつ上に行ってないといけなかった。トルコには勝つこともできたはずだったんだもの。今回はアウェー。そこでグループリーグを突破できるかどうかで、日本のサッカーの水準を自分たちも正確に手応えを確かめることができる。グループリーグを突破できなかったら、それがわからないままになっちゃうでしょう。グループリーグを突破するということの大事なところはそこだと思う」

ファイナル・ドローそのものについて概観を書いておくと。
実にドイツ的なイベントでした。会場のライプチヒ・メッセ(国際見本市会場)も、メッセというのが始まったのがドイツであり、ライプチヒだったと思います。
ドイツ大会のロゴ、これまで印刷物で見ると、ダサイなあと思っていたのですが、蛍光色でライティングされると、映えますねえ。デザイナーはああいう使われ方を考えていたのかもしれません。

司会役の男女、男のほうはドイツのサッカー番組の有名なキャスター、ブルーのドレスの女性はドイツのスーパーモデルだそうで、今年、お子さんが生まれたばかりだそう。でも、あのキャピキャピ声はちょっとなあという気もします。
ドイツの引田天好みたいなマジシャンのショー、すごかったですね。檻からクローン3姉妹が出てきた技は、さすがドイツ、ユーロ圏で評判のマジシャンでした。
ドローの進行をしたFIFAのマーカス・ジーグラーは、実はISL崩壊のころから、ぼくがFIFAの取材をしていたときの取材相手で、いまもいちばん仲がいいFIFA幹部のひとりですが、瞬く間の大出世で、いずれFIFAの事務総長になるのかなあ。

向こうで、あいかわらずのように、ミックスゾーンのチケット交渉をしていると、FIFAの担当者から、
「石川、おまえ、今度の大会からはinternational freelancerで登録したらどうだい。そうしたら、こういうやりとりをしないでもお互い、ハッピーになれるから」
というありがたい話がありました。

記者は、ミックスゾーンという指定の場所に入らないと、監督や選手のコメントを取れないのですが。そこに入るチケットをもらうために、いつも受付で3時間近く待たされ、人気カードではそれさえもらえないこともしばしばあるというのがフリー記者の宿命です。
ドイツ大会からはその苦しみから少しだけ救われるかもしればない。

そんなわけで、ぼくの取材パスはinternational freelancer枠に切り替えることになり、ドイツ大会取材のADについても確定ということになりました。
サッカーライターでもなかったぼくが、この5年ほどでそんな具合になってしまったのはどう考えても不思議なことです。取材と執筆の機会を与えてくれた仲間の編集者や取材費にも事欠く状態だったときにずっと支援してくださった友人たちに、それから4年前、ぼくの取材パスを認めてくれたサッカー協会に感謝しています。

FIFAのイラク支援策の開始とぼく自身のADの問題、今回は2つ、個人的には成果のあった取材になりました。
そんなわけで、W杯の本大会取材に向けて、手配を進行開始しています。仕事の発注など、喜んでお受けします。メディア関係各社の皆様は、メールいただければ。

2005/12/13 石川とら


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2件のコメント

[C4]

Sparta Dotoho!のhiroです。
私のブログにコメントいただいて、とても感激しております。今後も他のメディアでは知ることのできない貴重なお話を石川さんのブログで読ませていただこうと思っています。ドローの現場のお話も大変興味深く読ませていただきました。特に各国の監督の談話は、メディアに載るものとまた一味違っていて、“生の声”感がたまりませんね。フェリペ監督のコメントは、決勝トーナメントで対戦することを想定しての心理戦を思わせますね。
では、またお邪魔させていただきます。

[C8] コメントありがとう

hiro君はチェコ・サッカー「スパルタ・プラハ」のブログをやってらっしゃる方です。
http://dotoho.blog3.fc2.com/
チェコ・サッカーが好きな方は訪ねてみてください。
日本のサッカーファンも専門分化してきてますね。なかなか面白い。
hiro君、またときどき訪ねてきてください。とら。

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