Google

Entries

コンフェデ杯総括レポート

コンフェデ杯


ドイツ報告最終回

コンフェデレーションズ杯も終わり、来年のW杯開催地巡りで最後の町(12番目の)シュツットガルトに来ています。
日本、記録的な猛暑だそうですね。
ドイツも異常高温が続いていましたが、ファイナル戦の開始と同時に降り出した雷雨のあと、やっと平年並みの気温に下がり、朝晩は22度前後の涼しさに戻りました。

ファイナル戦の最中の雷雨はすごい雨でした。フランクフルトの「ヴァルト・スタジアム」はピッチ上も屋根で覆ったドーム・スタジアムですが、屋根の樹脂幕が1カ所だけ破れてしまい、試合中に滝のような雨水がピッチ内にも落ちてきました。
さすがの「ピーカン・ブラザーズ」の霊験も、フランクのサンダー・ストームには勝てませんでしたが、赤木カメラマン曰く「こういう日には屋根付きドーム。われわれには天の味方がついています」と負け惜しみを言っていますので、よい行いを続けていれば、来年もなんとかなるのでしょう。

なお、同じフランクフルト・スタジアムで行われた1974年ドイツ大会の2次リーグ「西ドイツ―ポーランド」戦は、大雨のため、排水で試合開始が30分遅れ、ボールがまったく転がらない状態のピッチで水球のようなゲームを行っています。
ちなみにこの試合で西ドイツは「1―0」で勝ち、クライフのオランダと決勝戦を戦うことになります。

フランクフルト組織委の幹部が、雨水が漏ったことでおわびの記者会見まで行われたので、本番のテストができたんだと思えばいいじゃないかと74年の話をしましたら、とても感謝されました。
もちろんぼくはそんな昔の試合を観ていないのですが、どうもオールド・ジャーナリスト(タヌキオヤジ)とこちらでは勘違いされているので、ぼくはあの試合も観ていたとますます勘違いされてしまった(笑)。

来年のドイツ大会が猛暑になるのか、雨の多い20度ちょっとの冷夏になるのか、ドイツの人たちに聞いても、どちらになるかわからないとのこと。
冷夏だと、ミュンヘンやフランクなどの南ドイツでも、雨具やトレーナーがいります。ハンブルグやベルリンだと、Tシャツだけでは風邪をひきます。出かける予定にしている方は長期予報を見て、判断してください。

さて、ファイナルの「ブラジル―アルゼンチン」戦。
南米予選の「アルゼンチン―ブラジル」戦(「3―1」だったそうですが)をぼくは観ていないのですが、ここまでの大差がつくゲームになるとは考えていませんでした。

結果的には「4―1」になりましたが、「5―0」でもおかしくないゲームだった。
カルロス・ペレイラ監督が、
「昨日、完全休日にしたのがよかったのかなあ。チーム全体のアルゼンチンを破るというモチベーション、集中力、すべてで最高のパフォーマンスを見せることができた」
とゲーム後に話しましたが、ブラジルの気合い勝ちのゲームでした。
アルゼンチンのペケルマン監督は、大敗のショックありあり。

日本戦やドイツ戦までのブラジルと、アルゼンチン戦でのブラジル、まったく別のチームでした。前日に行われたワールド・ユースの準決勝でもこの2チームが争い、ブラジルはアルゼンチンにやられていますので、ブラジル代表としては、2日続けて、同じユニフォームのチームに負けるわけにいかないという気分があったと思います。ましてや、リーベル・スタジアムで完敗していますので。

アルゼンチンが準決勝で120分戦い、しかも1日、リカバリーが短かったというハンディがあったにしろ、本大会で決勝トーナメントに入ったら、いつでもチームのギアをトップに入れることができるブラジル、さすがです。

ああいう試合を見せつけられると、いったいどのチームがブラジルの攻撃力を食い止めるディフェンス力を持っているのか、そして「0―0」や「1―0」のゲームに持ち込めるのか。
昨年のEURO2004でのディフェンス力からいえば、準決勝あたりでチェコあたりがその役回りになるのかなと思ったりしていますが、ブラジルにあのポテンシャルをすべて出されてしまうと、それもむずかしいかなあ。守れるチームなんてないかなあ。

今後、ブラジルの不安要素を見つけ出すとすれば、ロナウドが招集されるのか、ロナウドを呼んだときにアドリアーノとロナウドのどちらを使うかで、チーム内外で不協和音が出てくることくらいでしょうか。

攻守に衛星の役割を果たしたロビーニョ、合格点。彼はサントスからレアルへの移籍問題がこじれなければ、今回の活躍で、代表チームでのポジションを確保したと思います。
ロビーニョが入ったことで、ロナウジーニョは前後の動きに無理がなくなりましたし、ロナウジーニョが下がり目のポジションにいても、カカとロビーニョがフレキシブルにスペースに入って楔をもらう形ができていますので、守る側からすると、ますますむずかしくなった。

アルゼンチン戦だと、リケルメがロナウジーニョに対してもっとプレスをかけないと、ロナウジーニョに好きなようにゲームメークされてしまいますね。
リケルメとアイマールと両方を使えば、たしかに1点は取れたけど、攻めの駒を増やせば、それだけディフェンスに負担が来る。
ロナウジーニョがおとりになって、右サイドのシッシーニョからアドリアーノへ縦スルーが1点目、シッシーニョから左サイドのロビーニョに大きく振ってカカへというのが2点目、シッシーニョからクロスに中央でロナウジーニョが合わせてというのが3点目、シッシーニョからクロスにアドリアーノというのが4点目。

シッシーニョに代わってカフーが入っても、あるいは左サイドにロベカルが入れば、左サイドから同様の波状攻撃をかけることができるでしょう。
日本戦では、ほとんど両サイドは攻撃に出る必要がなかったから(引き分けでもいいと守りの試合をしたので)そういう攻撃をしなかったというだけのことです。

アドリアーノをマンツーマンでマークするディフェンシブな(4バック+リベロ、あるいは4バックにワンボランチ・アンカーというような)戦術を取って、なおかつロナウジーニョにも明確なマーカー役を置かないと、守りようがないかなあ。
ウクライナなども、去年のEURO2004の直前のフランスとのゲームでは、そういう守りのゲームをして(シエフチェンコが入っていないチームでしたが)、80分過ぎまではアンリを完封しましたので、ブラジルに対しては、そのようなディフェンシブな対策を立ててくるチームが出てくるでしょう。

アドリアーノ、スケールの大きいゴールゲッターですね。スピードで抜き去るタイプのフォワードではないのですが、ブラジル戦の1点目の相手ディフェンスとの競い方、自分の体格を生かして反転しながら相手ディフェンスを吹っ飛ばしていく突進力、スピードがあるようには見えないのだけど、軽々と相手のタックルを外していくドリブル、(一瞬、トラップミスかなと思うようなファースト・タッチだったのに、ストライドが長くて、すぐボールに追いついた。彼のドリブルはああいうドリブルなんだと感心しました)、ゴールの決定力、どれをとっても一級品でした。
今大会での決定力を見せつけられると、ペレイラ監督、アドリアーノを使いたがることになるんじゃないかな。ロナウドともめるでしょうね。

コンフェデ杯全体を通じて、今回の大会は攻撃力が目立った大会でした。ディフェンスについては、出場国が出そろい、各チームとも、ドロー結果を見てから対策を立てるということになるでしょう。

コンフェデ出場国のうち、来年の本大会にほぼ出場するだろうという国も含めて、以下、総括です。
ブラジルは問題なし。ロナウジーニョの大会になるのかなあ、来年は。

アルゼンチンはペケルマンが今後、上の世代からザネッティーやソリン以外の選手も補強するのか、それとも下の世代から補強するのか。ペケルマンのことなので、日韓大会のような大ポカをするチームに仕上げることはないと思います。

ドイツはバラックひとりで引っ張るチームから、攻撃陣ではシュバインシュタイガーやポドルスキーが自信をつけてきたので、得点力は日韓大会のときよりも上がってきていると思います。(2002年のサウジアラビア戦は壊れた試合なので問題外にして)。問題は守備の連係。ディフェンス陣をあえて若手にして、テストしている段階ですが、守れなかったし、シュバインシュタイガーの守備力にやや難ありです。

ファイナルの直前に、74年の優勝チームのボンホフ(現スコットランド・ユース監督)から話を聞きましたが、1年あれば、クリンスマンは十分、守備力の整備ができると思うとのことでした。
GKがそろそろカーンからレーマンに交代する時期に来ているというデリケートな問題は抱えていますが、ホスト国としてのモチベーションの高さがプレッシャーではない方向に作用すれば、セミファイナルまで来そうかなと感じています。

メキシコ、よかったですね。「ブラジル―メキシコ」戦を日本に戻ったら、どなたか、DVDで見せてください。ただ、メキシコチームは、ドーピング問題で、今後、FIFAからマークされるのが確実なので(ブラッター会長が記者会見で、メキシコ協会のドーピングチェックの甘さについて、辛辣な発言をしています)メキシコ協会には、今後、FIFAから特別チェックということもありうるのではと思います。そうるすと、来年の本大会に出場できなくなる選手が新たに出る可能性もあるでしょう。

日本は、やはりグループリーグを勝ち上がれなかったという結果が問題。4バックをこなせたのはいい傾向です。選手では、中田英がやっと好調時に戻ったかなというのと、俊輔のプレーが厳しくなったのが好印象。ワン・ボランチ気味になっても福西の守備に安定感が出てきたのと、大黒の得点力が買いでした。
初戦メキシコ戦の後半のようなゲームをしないことが(押されたときでも、ラストパスを通させないマークや守備連係)、決勝トーナメントに残ることができるかどうかの鍵になります。

最後に、ドイツでのW杯のチケットについて。
1次販売の結果を見る限り、チケット・ゲッターとして名を馳せている諸君でさえ、今回は討ち死にした人が多いようです。
1次販売で、ドイツ国内では、フランス大会のときのような国内優先販売枠がなかったため、チケットが当たらなかったファンから、今回のFIFAのチケット販売方式に対して、ブーイングが出ています。ファイナル戦の表彰式でブラッター会長に猛烈なブーイングが出たのは、そのせいか。

なんとしてもチケットを欲しいというファンの間で、ドイツ国内のオークション・サイトでチケットのやりとりが行われています。
ドイツ組織委は、スタジアムでチケットの名義チェックをすると公言していますが、現実問題としてそれをやると、スタジアムによっては観客をゲーム開始までに入場させることができない。
また、大量のスポンサー関係チケットは企業名が入っていても、個人名は入らないでしょうから、それのチケットの名義チェックなどする意味があるのか。
一部協会やスポンサーが手配したチケットがマーケットに流れ出したことは過去にもあり、チケット名義チェックを厳密にしすぎると、そういう問題に波及する。また、カードによっては不人気カードが出てくるのもやむをえないのだが、そういうカードが空席多数で行われるのを避けたい。

以上のような理由から、ドイツ大会でも、コンピューターシステムによる名義確認の実施は、事実上はむずかしいのではないかというのが、ドイツの記者たちと話した現状です。

ただし、セキュリティ上、トラブルを未然に防ぐことを優先したいカードについては、特定ゲートでアトランダムな名義チェックを行う可能性はあるだろうという意見も事実、あります。

ドイツのオークション・サイト(e-bay)に対して、チケット売買の停止を求めていますが、国内法上、法律違反行為ではないため、野放し状態にあります。

チケット問題については、いまのところぼくのほうでお知らせできるのはそこまでかな。
また、もっと新しい情報が入ったら、お知らせしましょう。

それと、W杯以外の件では、12月のトヨタ・クラブ・ワールド・チャンピオンシップ(FIFACWC)について、リバプールが出たくないというようなニュアンスのニュースが、コンフェデ杯の直前に流れましたが、30日のFIFA理事会の討議事項でもあったので、ブラッター記者会見であらためて、その件について確認質問をしました。
「チャンピオンズ・リーグの優勝チームであるリバプールにはこの選手権に出場することは契約で義務づけられており、7月30日に(南米、アジアの代表クラブはまだ未確定だが)日本で抽選を行う」とブラッター会長自身が明言しました。

ドイツ取材については、以上のようなところです。

結局、このメール、ミュンヘンで出すことになってしまいました。
シュツットガルトもいいところでした。緑が多くて、それから夜はいい音で有名なベートーベン・ホールでマーラーとブラームスを聴いて、今夜はミュンヘンで日本映画フェスティバルをやっていたので、木下恵介監督の「二十四の瞳」(ノーカット版)を観て(ベルリンでならわかるのだけど、ミュンヘンで日本映画を観るとは思っていませんでした)と、少し、サッカー漬けになった頭を洗濯しています。

ではまた。5日には日本に帰っています。
10日にデトロイトに出発する見込み。じゃあ、ドイツ報告はこれでおしまい。またね。

7月3日 石川とら from Munich.

今日の写真は、アルゼンチン戦後のほっとしているペレイラ監督とロナウジーニョ。
ペレイラ監督でもああほっとしたという表情でした。
スポンサーサイト
-->
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://tra3.blog43.fc2.com/tb.php/138-4e8cb90f

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

プロフィール

「どうも。石川とらでーす」

Author:「どうも。石川とらでーす」
筆者プロフィール==>
http://tra3.blog43.fc2.com/blog-entry-2.html

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

href="http://blog.fc2.com/">blog) カワイイ☆ブログランキング