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イスタンブール通信2号 チャンピオンズリーグ決勝速報

イスタンブール・ジェラード会見


■写真: ジェラード・キャプテンとラファエル・ベニテス監督記者会見。

石川とらイスタンブール通信2号
「UEFA CHLファイナル」速報だよー。

“What a match!?”(なんて試合なんだよ)と言うしかない。
ぼくのお気に入りのクラブでもなんでもないのだけど、あまりの展開にあきれています。
リバプールを応援していた和君ほかのみなさん、おめでとう。

スタジアムのほぼ3分の2強(トルコの観客も含めて)がリバプールびいき。
しかし、前半44分のクレスポの3点目のゴールで、ミラン・サポーターでさえ声を失ってしまい、一瞬、スタジアム全体がシーンとなってしまいました。
あまりにも一方的な試合展開に、勝負のカタはついてしまった。「♪リバプール、リバプール」と歌いつづけていたリバプール・サポは泣きだしそうな顔になってうつむいてしまうし。
「前半でお終いなんてあんまりじゃない」というシラけた静けさのまま45分が過ぎました。

20060108143649.jpg

ハーフタイムに、ミラン・サポーターは勝利の印のつもりか、「フォルツァ・ミラン」のサポーター・フラッグをさっさと広げてしまっちゃうしね。
ベルルスコーニなんか(トルコ訪問中だったと思うのだけど)、狂喜乱舞だったでしょうね。
そりゃそうでしょう。いくらなんでもイタリアのチームから後半だけで3点を追いつくなんて、できるわけないじゃんとだれだって思いますよね。
オイオイ、とんだ試合をイスタンブールまで観にきたもんだ。
「とんだイスタンブールじゃないかよ、これは」などと、ひとり愚痴っておりました。

後半開始と同時に、ベニテス監督は、バックスのフィナンに代えてハマンを投入しました。
前半23分には、ハリー・キューウェルに代えてシュミチェルを出していましたが、このハマンとシュミチェルの2人の交代による超攻撃的フォーメーションがまさか、ここまで成功するとは。

●リバプールスタート時のフォーメーション「4-3-2-1」

       5バロシュ
   7キューウェル 
        10ルイスガルシア
6リーゼ            8ジェラード
      14シャビアロンソ

21トラオレ             3フィナン
    4ヒューピア 23キャラハー

       GKデュデク


●前半23分から「4-4-2」

       5バロシュ
         10ルイスガルシア

6リーゼ           11シュミチェル
   8ジェラード 14チャビアロンソ

21トラオレ             3フィナン
    4ヒューピア 23キャラハー

       GKデュデク


●後半開始時「3-1-4-2」

       5バロシュ
          10ルイスガルシア
     8ジェラード  
↑6リーゼ           11シュミチェル
          14チャビアロンソ
       16ハマン

21トラオレ4ヒューピア23キャラハー

       GKデュデク

●後半「3-3」後、延長まで「3-4-1-2」
でも、5バックス状態に近い。

       5バロシュ(9シセ)
   10ルイスガルシア

           11シュミチェル

      16ハマン 14チャビアロンソ
                   8ジェラード
6リーゼ
  21トラオレ4ヒューピア23キャラハー

       GKデュデク

つまり、ベニテス監督は、このゲームでフォーメーションを4回変えているわけです。
キューウェルの交代は、理由が判明していませんが、あの早い時間帯で、交通事故みたいな1失点だけの時点ですから、たぶん故障だったのだと思います。

前半は「1-0」のままでもいい、バランスを重視しようとオーソドックスな「4-4-2」を選択したのですが。
しかし、あれだけ何回もカカに中央を突破され、カカ、シェフチェンコ、クレスポの3人にいいように攻められてしまっては、なぜハマンを最初から使わなかったのかと、悔やんだはずです。

実際、記者会見で「どうしてハマンを最初から使わなかったのか?」という質問に、
「たしかにそういう考え方もあったかもしれない。(得点力を考えて、スターティングを選んだのだが)すべて、ミランの1点目、それから3点で考えを変えるしかなかったんだ」
と答えました。

最初の交代がキューウェルに代えてハマンだったら(もしハマンを投入していたら、ハマンとシャビアロンソの2ボランチで、バロシュ、ルイスガルシアの2トップの下にジェラードとなっていたはずですが)それだと、こんな展開になったかなあ?
たぶん「1-0」のままか、よくて「2-0」だったでしょう。
そうすると、まったく別のゲームになっていたはずです。
そこがサッカーの面白いところ。
前半はシュミチェルの投入も別に功を奏したわけではなかったのです。

ベニテス監督、試合後の勝利記者会見で、前半に3点も奪われてしまった以上、チームのムードを変えるしかなかったんだとはっきり言っています。
「早めにとにかく1ゴールを挙げることを最優先にした」と。
「あんな攻撃的なフォーメーションを試合前に想定していたのか?」
というぼくの質問に、
「いいや。選ばざるをえなかったわけで。アイデアとしてはああいうスタイルもあるといってもいいが、まさかそうせざるをえないなんて考えてなかった」
と正直に答えています。

3点差ですから、それに4万人近いリバプール・サポの前であのまま負けてしまうわけにはいかない。とにかく早い時間帯に得点を挙げようというのが、後半開始時のフォーメーションになりました。

ジェラードがトップ下に上がり、左サイドのリーゼもほとんど上がりっ放しとなり、バロシュのワントップで左にリーゼ、中央にジェラード、右にルイスガルシアという形になったといってもいいでしょう。

        バロシュ
               ルイスガルシア
リーゼ    ジェラード 
   
               シュミチェル

     チャビアロンソ

攻撃陣が少なくとも5枚に増えたわけです。ゴール前、相手ペナルティエリア内に、常に2人が入り込む形を取った。
ジェラードが2列目から上がったときには、ジェラードがいたスペースにチャビアロンソが上がって、セカンドボールも拾う、あるいは遠目からでもシュートを打つという攻撃的なフォーメーションですね。

1点目はジェラードがトップに上がったことでゴール前の枚数が増えたから、リーゼのセンタリングにピッタリ、ジェラードのヘッドが決まった。一度上げたクロスがカフーに当たってリバウンドを蹴り直したら、それがためになってピタッとジェラードに合ったという幸運もあった。

わずか2分後のシュミチェルのゴールがすごかった。あれでスタジアム全体の空気が変わってしまいました。サポーターの祈りや後押しが選手たちを神がかりにしました。
シュミチェルがあのスペースを埋めて、前向きにボールを拾ってそのまま3歩くらいドリブルで持ち上がって放ったミドル、強烈でした。

サッカーではこういうことがおきる。それも大ゲームでね。
3点目の、結果的にPKになったプレーは、PSV戦のパク・チソンの1点目と実に似たプレーでした。バロシュのポストにジェラードが合わせてシュートに入ろうとしたのをミラン・ディフェンスが押し倒してしまったのだから、まがうことなきPKです。バロシュにスルーを入れたのは23のギャラハーです。ドリブルで自陣から相手バイタルエリアまで突進したのに、ミラン、止めることもできなかった。ディフェンスが浮き足立つというのはああいうことです。心理的要素が強いですね。イタリア自慢のプロフェッショナル・ファウルさえ忘れてしまった。

記者会見に現れたジェラード、「後半早い時点での2得点に貢献できて本当にうれしい」と話しました。

ジェラード、ぼそぼそと小さな声で冷静にしゃべります。声が小さすぎて、よく聞き取れなかった。

でもねえ。「イタリアーノ、ナニシチャッテーノ」ですねえ、ホント。
たぶん、ユーベやインテルのサポーターは「馬っ鹿じゃねえのかい。3-0から負けたって?」と、あざ笑っていることでしょう。
カカ、シェフチェンコ、クレスポ、確かにすごい。「3-3」になってからも、カカとシェフチェンコで2度、あわやというチャンスを作ったけどね。
それにしても、わずか3分で3ゴールを献上してしまったミランのディフェンス陣、緊張感を失ってしまってた。ベテランばっかりそろっているのに、心理的に受け身になってしまった。

PK負け直後のマルディーニ、呆然としていました。ショックでしょうね。
アンチェロッティ監督、記者会見でも真っ赤な顔をますますパンパンにふくらませて怒ったあんパンみたいな顔でね。憮然としたまま、敗因分析もなし。
PK戦については、いちばんいいキッカーをそろえたのだけどと、渋々答えていたけど、そうじゃないでしょう。
同じようなアンチェロッティーを見たのはボカとやったTOYOTA杯のあとだったっけ。やはりPK戦で負けた。
ぼくのなかではアンチェロッティーの評価、高くしようがないんだなあ。ああいう大一番に勝てないというか…。

「どうして3点も続けざまにやられたのか?」自分でも、失敗の理由は認識していたはずです。ベニテス監督の破れかぶれのフォーメーション変更に対して、明確な指示を出さなかったこと。あの数分間だけ、ラインが下がってしまい、たとえば、カフーが上がりっ放しのリーゼの裏のスペースを衝くということすらできなかった。
3点リードの心理的な甘えと、「ピルロ→カカ」とボールを回して初めて攻撃が機能する分業型のチームというか、「カカとシェフチェンコ」が戦術というチームの欠点が、PSVとの第2戦、ファイナル戦と2試合続けて出てしまった気がします。

記者会見が終わって、エレベーターに乗っていたら、ちょうどベニテス監督が乗ってきたので
「おめでとう。ウェルカム・ツー・ジャパン・イン・ディセンバー」と声をかけたら、ベニテス、大喜びでした。
「ありがとう。行くよ~」とのことです。

最後に、取材現場の話。
前半後半通じて6ゴールが乱れ飛び、PK戦まであった試合ですが、ゴールシーンは、すべてミラン・サポーターの目の前でした。つまり、可哀想に、ミラン・サポは幸せな3ゴールと絶望の3ゴールと、3本のPKミスを目の前で見せつけられたわけです。可哀想に。

このゲームほど、カメラマンに当たり外れがはっきり出た試合も珍しいかな。
試合終了と同時にホテルに飛んで帰り、空港に直行した相棒のAカメラマンから、
「最高。今日は選択、すべてパーフェクト。いいゲームでしたねえ」
と、うれしくて仕方がないという電話がありました。
前半はミランの先取点を予想してカカとシェバを撮るつもりで構えて、後半はリバプールの選手も撮っとくかだったのでしょうが、結果オーライ万々歳になった。

その反対を選んだカメラマンも同じ数くらいいるわけです。その人たちには「とんでもないイスタンブール」でした。

オリンピック・スタジアム、イスタンブールの町から30キロ弱、離れた盆地というかへんぴな場所にあるスタジアムでして、タクシーで出かけるしかないのです。
試合が始まったのがヨーロッパ時間に合わせたために、トルコ時間の夜9:45開始。それで延長戦にPK戦でしょう。記者会見が終わったら1:30。

待たせておいたはずのタクシーの運ちゃん、待ちくたびれてどこかへ行っちゃって、道路閉鎖で入って来ることができなくなった。何千人かがタクシーをさがしてウロウロ。やっと空いているタクシーを見つけて、大ボラレ。イスタンブールにたどりついたら3時でした。リバプール・サポもまだところどころで飲んではいましたが、ぼくが泊まっていたスルタン・アーメッドというエリアは大きなモスクがある町ですので、夜中もやっているバーなんてない地区なので、彼らの大騒ぎがどうだったのかは見ていない。

28日に日本に戻り、31日にバーレーンに出発です。
次はバーレーンモノ。もし書く時間があればですが。

来週月曜日売りの「ウィークリー・ヨミウリ」に、北朝鮮戦について、問題点を少し
レポートしています。
時間がある方は読んでみてください。では。

5/26 イスタンブールより。石川とら。

■リバプール関連 次の記事「チェルシー-リバプール」戦へ--->http://tra3.blog43.fc2.com/blog-entry-125.html



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