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格闘ブログ10日間 第2ラウンド 「追跡者」

その男の影に気がついたのは3日目の朝のことだ。

薄暗いウェアハウスで積みおろしの検品作業をしているときだった。
積み込んだ荷物のタグをチェックして、自動的に送られてくる注文票通りにウェアハウスのそれぞれのドアが開いているのか、ページを開いてくれるのか、一晩がかりで検品をしなければならなかったのだが、男はすでに箱を開けて調べ物をしていたようだ。

いったいどこから新しい住所を調べてきたのか。
不思議ではあったが、まあ、お得意になってくれるかもしれないからと、声のかけようもないので、こちらも検品作業に没頭していた。

年末に一度、開いたウェアハウスは使い勝手が悪かった。
大箱を開くと、下の小箱が見えなくなってしまった。
別な設計図面を見せてもらったが、自由が効かない。
重い荷物を広げる客など、想定してないのだろう。
最初に積み込んだのはほんの一握りの新聞記事の小箱だけだったのに、どこでタグを見つけたのか、
ライトハンドの連中がさっそくやって来て、置き手紙を置いていった。

言い争いなどやっている時間はなかった。
しばらく面倒は避けておきたかった。新しいウェアハウスを組み上げるのに、4日かかるか、1週間かかるかわからない。使える時間は新年の休みと次の連休しかないのだ。
姿をくらましたほうがいいだろう。

冷たい風はあいかわらず吹いていたが、新年の街は華やいで見えた。
浦和の連中の嬌声を聞きながら、千駄ヶ谷からそそくさと戻り、作業を急いだ。

新しい倉庫街にウェアハウスを開き、前のウェアハウスに並べたばかりの荷物を、タグをまたつけかえて運び込む。新年早々の夜逃げのような引っ越しだ。
ついでに、裏の物置に投げ込んであった大量の荷物も、手近にあったやつから、束のほこりをはらいながら、新しい箱に放り込んで、新しいウェアハウスに運び込む。
棚が手狭になったら、新しい棚を並べ替える。
フロア図面を描いては描き直して改造に改造。作業に没頭する。

その間も、ずっとその男は作業を見ていたのだ。
棚を新しくして新しい箱を並べたと思ったら、男はすぐにやって来て、その箱を開けていた。


格闘ブログ10日間「第3ラウンド」に続く。--->http://tra3.blog43.fc2.com/blog-entry-166.html

 この項目 前回の記事--->http://tra3.blog43.fc2.com/blog-entry-163.html




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