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【スポバカ】フットボール・ハイ 4 モウリーニョの憂鬱 続き

5月26日

 ドイツW杯組織委員会が開いたランチョン・パーティーに出る。

 チャンピオンズリーグの取材に来た世界のプレスにドイツ大会を宣伝するためのパーティーとのことだったが、二年先のW杯の話などまだ早すぎたのだろう。記者たちはほとんど欠席。
フランクフルトの協会本部に寄ったときに、もしベッケンバウアー会長の都合がよければインタビューしたいとお願いをしておいたら、この会に来るようにとの連絡をもらった。

 組織委会長のベッケンバウアー、ギュンター・ネッツァーら、74年W杯の優勝メンバーたちがひとつのテーブルを囲んで雑談中。
Aは「すごいよ。ウーベ・ゼーラーも、ビアホフもフォクツも……」と元スーパースターたちのくつろいだ雰囲気の写真を撮らせてもらっている。

 ネッツァーと先日の「レーバークーゼン-シュツットガルト」戦の話をしていたら、ベッケンバウアー会長も加わってしばらく立ち話。

 ――前回大会では準優勝したが、これまでのドイツ・スタイルのサッカーでは南米勢と互角に戦えないのではないか?

「日韓W杯で決勝に進出できたのは、ドイツ大会のためにもとても幸運だったし、いい経験ができたと思っている。前回以上の成績を上げるためには、チーム力の一層の引き上げが必要になるし、才能ある若手の抜擢を進めているところなんだ」

 ――あなたが現役のころはブンデスは世界最高峰のリーグのひとつだった。しかし、ドイツ・スタイルの強いフィットネスと高さで勝負するスタイルのサッカーはもうオールド・ファッションのように思う。バラックの世代のあとに新しい選手が出てこないのはなぜなのか?

「ブンデスリーガから新しいタレントがなかなか育ってこなかったのはご指摘のとおりだ。優秀な外国籍プレーヤーがどのチームでも中心選手として活躍しているから、若いドイツ人プレーヤーが彼らからポジションを奪うのはとてもむずかしかった。EURO2004には新しい世代のプレーヤーをピックアップしつつあるから、2002年のチームとは顔ぶれが変わるはずだ」

 ――ドイツ大会まであと二年というところで、代表チームの世代交代は間に合うのか?

「残されている時間はたしかに限りがあるが、ホスト国として素晴らしい大会にするために、協会が代表チームと育成部門のスタッフと連携して、若手の底上げに全力を尽くしている。われわれは予選がない分、本大会に合わせて綿密な強化スケジュールを消化していく予定なので、二年あれば、生まれ変わったドイツ・チームをお見せすることができるだろう」

 ――日本からもドイツ大会には数万人単位のファンが訪れると思う。日本からの観戦客に対してチケット販売などで特別なアイデアはあるのか?

「日本は素晴らしいW杯を開催した国であり、日本のファンがドイツ大会に観戦に来ていただけるのは大歓迎だ。ただし、予選を突破した国からのサポーターをわれわれはまず優先しないといけない。まずジーコにドイツ大会のチケットを勝ち取ってもらってから、その件は考えよう」

 ベッケンバウアー会長、ぼくの世代は「皇帝」と呼んでいたスーパースター。VIP席にいるのを遠くで見たことしかなかったので近寄りがたい方かと思っていたら、実に気さくに応えてくれた。

チャンピオンズリーグ決勝「ASモナコ 0―3 FCポルト」 ゲルゼンキルヘン

 チャンピオンズリーグの観戦は今回がはじめて。たぶん世界中から千人近いプレスが来ているのかな。新参者の日本からのフリーランスの席は3階席の最上列。ピッチ上の選手たちが米粒のように見える。
 まあ仕方ないですね。観せていただけるだけでありがたいと思わなきゃ。

 中国からのプレスが日本のプレスよりもずっと多い。日本人記者は新聞、雑誌など合わせて50人くらいか。中国からはヨーロッパ在住組もふくめて150人くらいやって来ている。UEFAが次のビジネス戦略として中国の巨大市場を狙っているということだと考えていいだろう。

 三年前にポルトで知り合ったポルトガルの記者連中と再会。何人かは日韓W杯のときに韓国や日本でぼくも少しだけ面倒を見た。EURO2004では今度はぼくがやっかいになる。

 モウリーニョ監督のチェルシー移籍は既定事実だそうで、今日もし勝ったとしても、われわれは宝物を失うことになるんだと浮かぬ顔である。
 前日の記者会見や練習を観て、ぼくの気分はポルト贔屓になっている。

 モリエンテス、ロテン、プルソー、ジュリなど、各国代表クラスの攻撃陣をそろえたモナコのほうが決定力でやや優勢と予想する記者が多かったが、イーブンボールへの寄せの速さで負けなければ、ポルトはあなどれないよ。ポルトのほうはビッグネームはデコくらい。しかし、全員できっちり守り、走り回って相手ディフェンスを混乱させて空いたスペースをこじ開けていくというスタイルのサッカーができれば、ポルトにも十分勝機はある。

 ゲームがはじまった。
 モナコは、デシャン監督が前日に話したとおり、守り重視の布陣。本来なら左ボランチのジコスが4バックスの前にアンカーとして陣取る。モリエンテスとトップ下にジュリの2トップで、モリエンテスとの相性を考えてか、プルソーはベンチ。フォーメーションは「4―1―3―2」。
デシャンはモリエンテス、ジュリに左右のロテン、シセの4人でも1点は決められると考えているのかもしれない。

 ポルトはデルレイ、カルロス・アルベルトの2トップにトップ下にデコ、3ボランチ、4バックスという「4―3―1―2」。

 スターティング・ラインナップが発表されるまで、ポルトガルのプレスも、モウリーニョが今季リーグで19得点をマークしているベニ・マッカーシーを使ってくるのではないかと予想していたのだが、モウリーニョはカルロス・アルベルトを起用した。

開始2分、ポルトの最終ラインの裏を狙ったスルーにジュリが突っ込んだ。GKのバイアがペナルティー・エリア外でジュリと交錯しながらかろうじてスライディングでクリア。ジュリのプレーを観るのは2001年のコンフェデレーションズ杯以来。体は小さいが相変わらずスピード抜群である。速い香車というのはそれだけで相手バックスには脅威だ。

 モナコのプレッシャーに押されて、立ち上がり受け気味になったポルトのラインを、カルロス・アルベルトが左サイドをひとりでドリブル突破して立て直しを図った。

 カルロス・アルベルトの名前だけは、EURO2004のホテルを押さえるためにポルトの宿に電話したときに、宿の親父がポルトにはカルロス・アルベルトという驚異的な新人がいるんだと自慢していたので聞いていたが、なるほど。立て続けに相手バックスを1対1で抜き去り、クロスを上げる。まだ20歳の若武者。たしかブラジルのフルミネンセが経営破綻したときに、ポルトに売られたプレーヤーだったはずだが、17か18歳での移籍だったため、ブラジル国内でもマークされていなかった新星である。

 モナコは中盤を省略して、右サイドのシセにロングボールを入れてくる。シセのジャンプ力を生かしてシセに競らせて落としたボールをジュリが拾い、ゴール前のモリエンテスにというシンプルな攻撃。ただし、ゲームに馴染んできたポルトのディフェンス陣、ラインを浅めにとって、ロングボールにはオフサイドトラップで対応する。

 前半23分、ボールと関係のない場所にいたジュリが負傷でプルソーに交代。一度、ポルトのディフェンスとヘディングを競り合ったときに痛めたのか、それとも最初のGKと交錯したときに負傷していたのか不明。突然の主将の交代に、モナコ、やや攻めのリズムを失う。

 どちらも決定的なチャンスのないまま、前半は「0―0」のままかと思われた39分、右サイドのパウロ・フェレイラから中央のカルロス・アルベルトにクロスが入った。モナコの最終ラインもきっちりマークしており、危険そうでもなんでもないクロスだったのだが、カルロス・アルベルトがワン・バウンドでトラップをし損ね、ボールは相手バックスの体に当たって跳ね返った。「アレッ?」ていう感じだ。おあつらえ向きに自分の足下に落ちてきたボールをカルロス・アルベルトが右足を振り抜いてゴール。「1―0」。

 ラッキー・ゴールであろうがどうであろうが、モウリーニョ、カルロス・アルベルトの先発起用、結果的に懸命な選択をしたことになった。前半「1―0」のまま終了。

 後半。
 デシャン監督がどう手を打つか? アンカーのジコスを上げて、より攻撃的な布陣に修正するかと期待したのだが、そのままである。

 ジコスが下がってしまうと、モナコは中盤がつなぎにくくなる。ポルトのデルレイやカルロス・アルベルトがペナルティー・エリア付近でポストプレーや縦突破を図るとき、ジコスは最終ラインまで下がってしまうため、前の5人との間の距離が開きすぎ、ボールを奪取しても、結局、中盤を省略した攻撃しかできなかった。しかし、ロングボールの攻撃だけでは、浮き球もグラウンダーのパスも、モリエンテスやプルソーに渡るまえにインターセプトされたり、オフサイドトラップにかかったりと、モリエンテスやプルソーがシュートを放つ展開まで持っていくことができなかったというのが前半の展開だった。

 攻撃陣でも、ジュリを欠いた時点でモナコの機動力は低下した。シセやロテンがサイドからクロスを放り込んでも、ゴール前にもう一枚足りない。相変わらず、ロングロブ1本をモリエンテスやシセに合わせようとする攻撃ではゴールを割るのはむずかしいだろう。

 モウリーニョのほうが先に動いた。59分、カルロス・アルベルトに代えてアレニチェフを投入。モウリーニョがアレニチェフに綿密な指示を出しているのが見えた。仕草の感じだと、モナコのラインの裏を衝けと言ったはず。

 63分、モリエンテスがやっとペナルティーエリア内でGKと1対1でシュートを放ったが、バイアがファインセーブ。
 直後、やっとデシャンもシセに代えてノンダを投入し、ノンダ、モリエンテス、プルソーの3トップに。モナコもやっと攻撃的なフォーメーションに切り替えたのだが、プルソーの強引なドリブル突破がポルト・ディフェンスにつかまる。

 こういう展開になると、追いつこうとする側に無理が出る。案の定、71分にはデコに、75分にはアレニチェフに、ともにカウンターから決められ「3―0」。ポルトからの記者団、ゲーム終了を待たず、記者席で喜びの記念撮影。巨大ビジョンにピッチにうつむいたままのモリエンテスのアップが映し出される。

 モナコ、なにもできぬままゲームが終わった。ポルト予想外の大勝である。
 カルロス・アルベルトの1点目も、アレニチェフの3点目も相手バックスに当たったボールからのシュートだった。サッカーというのはそのような突発的な、まるで事故のようなゴールが往々にして起きるゲームであることをあらためて強く感じたゲームだった。

 得点は「3―0」と大差がついたが、ポルトの守り勝ちのゲームといっていいだろう。これまでのゲームでモリエンテスやプルソーにラストパスを出してきたロテンを完全に封じ込めたのが大きい。

 なぜ大差のゲームになってしまったのか、ゲーム後の両監督の記者会見の談話だ。
 デシャン監督は、ポルトに大敗したことを素直に認め、ジュリの突然の故障があまりにも痛かったと嘆いた。確かにそのとおりで、試合開始直後は、ジュリのスピードを生かしたスルーからあわやゴールというシーンもあった。しかし、ジュリが交代してからは、単純な攻撃しかできなくなった。

 ――1点差を追いつかなければなかったモナコが、ジコスを含めた5バックスに近いフォーメーションを後半の早い段階で変える選択はなかったのか?
 というぼくの質問に対して、デシャンは、
「結果的にはそういうことを言うことができるかもしれないが、このフォーメーションがチームとしてもっともバランスよく組織化された形なので、変えるつもりはなかった」
 とややイライラした表情で答えた。

<フォーメーションを変えろ? ジュリのまさかの負傷交代で、だれをどう替えるのかい?>
 変えたくてもモナコにはタレントがもういなかったんだと言いたかったのだろう。

 モウリーニョ監督の勝利記者会見は、まず、このゲームを最後にポルトを去ることを公表してからゲームを次のように分析した。

「ファースト・ゴールがすべてのゲームだった。最終的には3―0の結果になったが、このゲームは1―0のゲームといっていいくらい、最初のゴールで以後の展開が変わってきた。後半の2得点は、この1点が相手バックスの裏に自由なスペースを作りだした結果、生まれたもので、デコの2点目が決まったときに勝利を確信した」

 質疑応答がはじまると、イギリスから来たプレスたちがモウリーニョ監督のチェルシーへの移籍について皮肉を込めた質問を浴びせかけた。

「私の将来については別に重大なことではないのです。今日、ポルトが新しい歴史を作ったこと、クラブが選手たちが自分たちでこの大きな勝利を勝ち取ったことこそが、もっとも重要なことなのです。今日だけはしばらくその喜びにひたらせてください」

 と、モウリーニョは記者たちに哀願するように答えたが、ロンドンやマンチェスターから来た記者たちにとってはポルトの勝利よりも彼の去就問題のほうが記事になる。イングランド・プレスの馬鹿な質問が続く。
 モウリーニョは首を振りながら、勝利の直後の困惑と悲しみと怒りが入り交じった目を記者席に向けた。

 だれかに似ていると思っていたのだが、モウリーニョはジェームス・ディーンに似ている。ジェームス・ディーンがあと20年、生きていたらこの夜のモウリーニョのような目をしただろう。

「そろそろ今日のゲームそのものについて質問させてもらってもいいだろうか?」
 と、手を挙げた。
 UEFAの司会者にも、モウリーニョにもぼくの質問は助け船になったようだった。

 ――カルロス・アルベルトとベニー・マッカーシーのどちらを先発起用するか、結果的に今日のゲームの大きな選択肢になったとも思うが、いつ決めたのか?
 とぼくは質問した。

「どちらを起用するか、ずいぶん悩んだ。経験と実績を考えればベニーだが、カルロス・アルベルトがずっと好調だった。熟慮に熟慮を重ねて、ファイナルではカルロス・アルベルトを先発で使うことに1か月前に決めた。彼の未知の可能性を信じた。見事に役割を果たしてくれた彼に感謝したい」
 と答えた。

 会見が終わり、モウリーニョに「おめでとう」と声をかけた。
 彼は「質問をありがとう」と、ぼくのプレスキットにサインをした。
 モウリーニョのグレイがかったブルーの目にもう悲しみの色はなかった。

2004/05/26 石川とら



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