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【スポバカ】EURO2004 ポルトガル開幕直前

ポルトガルの威信をかけた巨大プロジェクトの成否は?

 EURO2004開幕前日というのに、ポルトの街は平穏そのものです。
 もちろんこちらのテレビは一日中、EURO特番を流していますし、新聞にも、わがポルトガル代表はどう戦うかといった記事が満載なのですが、ポルトの市民たちはこちらが拍子抜けするくらい静かです。2002年の日韓W杯の開幕前夜のソウルの喧噪、あるいは日本の開催地のお祭り騒ぎを想い出すと、とても不思議です。

 ポルトガルの人々が自分たちの代表チームに、あるいはEURO2004の成功に熱い期待を抱いていないわけではありません。こちらの新聞「RECORD」紙の電話アンケート調査によれば、41.3パーセントのポルトガル国民がポルトガルの優勝を信じているといいます。
 でも、そのような期待感が、現段階ではストレートに露出されてきません。
 これはポルトガルの人々の国民性なのか?

 たとえば、ぼくが話を聞いたポルトガルの人々は、サッカーの話でなくとも、まず最初に「ポルトガルは小さな国なので」とか、「われわれはヨーロッパの辺境の国だから」といった控えめな前置きを言ってから話しはじめます。
 ポルトガルというEURO圏の小国の悲哀について、それとなくまず理解を求めてからでないと会話をはじめるられいないポルトガル人の鬱屈(うっくつ)。

 EURO圏(東欧諸国が新たに加盟した「大EURO」ではなく旧「小EURO」)にあって、人口、国民平均所得、社会福祉水準などのあらゆる指標で、われわれは背伸びをしてこなければならなかったのだという現実が、彼らにそのような言葉を吐かせているようにぼくは感じています。

 今日は、ちょっとスポーツの話から少し外れたことから報告しますね。
 実は、今回の旅は、スポーツを追いかける旅ではありますが、同時に、いまの世界、この2004年という実に不確かな見通しのきかない世界をそのまま(リアルに)同時に見て回ろうという旅でもあります。たまにはこういう話も書きます。もし興味がある方がいらっしゃったら、読んでください。

 EURO2004というサッカー・イベントを追いかけていると、同時に変わりゆくEURO圏についても考えざるをえないのです。
 たとえば、2000年のEUROオランダ・ベルギー大会。もう4年前のことになりますが、チケットが売り出された1999年当時、流通がはじまって間もなかった新通貨ユーロは、「1ユーロ=98円」前後でした。それがいま「1ユーロ=145円」近くに跳ね上がっています。EURO2004のゲームを追いかける旅は、毎日、羽が生えたようにユーロ札が飛んでいく旅であり、EURO圏のこの数年の経済的変化について考えざるをえない旅なのです。

 99年から2001年まで続いたユーロ安の時代、この時代にサッカー世界にも大きな影響を与えたITバブル崩壊という世界同時不況が起こりました。その結果、ヨーロッパのサッカー・ビジネスの大口スポンサーだった巨大国際的企業が、巨大クラブのスポンサーから下りたり、あるいはサッカー・ビジネスを取り仕切っていたスイスのISLやドイツのキルヒ・メディアといった放漫経営型のスポーツ・マネージメント企業が経営破綻してしまいました。

 ポルトガルにとって、EURO2004という巨大イベントの開催は、大きな賭けともいうべき巨大国家プロジェクトでした。
 長期的に停滞してきた小国、ポルトガルの経済に、ほかの西側EURO国並の社会公共インフラ投資を呼び込むためのジャンピング・ボードがEURO2004の誘致でした(この2004年には、EURO2004以外にも、さまざまな文化・経済的イベントがポルトガル各地で予定されており、2004年はEURO圏における「ポルトガル年」といってもいい年になっています)。

 しかし、この巨大イベントの準備をポルトガル経済だけでまかなうことはできませんでした。ポルトガル経済はEURO圏全体から巨額の融資を得て、国内の再開発計画を実施します。巨大スタジアムの建設はもちろん、高速道路網、リスボンやポルトの地下鉄建設、光ファイバー網の整備といった都市再開発が、2004年完成を目標に、リスボンとポルトを中心に進められてきました。また、それらの再開発プロジェクトはEURO圏の企業が応札できるというシステムが採用されました。たとえば、地下鉄のトンネルを掘る巨大掘削機械はスウェーデンのボルボ社が受注し、光ファイバー網についてはフランス系のIT企業とポルトガルの電話会社が共同受注するといった形が取られました。

 つまり、マネーフローでいえば、巨額の資金がEURO圏のマネー市場からポルトガルに流入し、それをEURO圏の巨大企業群が吸い上げるという形を取ったということができるでしょう。EURO2004というイベントは、そのような巨大経済プロジェクトでもあるのです。

 それらの都市再開発計画のなかでも、ポルトやリスボンの旧市街の歴史的都市景観を存続させたまま、地下鉄を通して交通渋滞の改善をはかり、光ファイバーを張り巡らせた21世紀型の新都市を構築するという巨大プロジェクトは注目の的だったのですが、2000年から2001年のEURO圏全体の経済停滞で、再開発のスピードにブレーキがかかってしまいました。

 だから、ポルトの街は、明日、EURO2004の開幕を迎えるというのに、街のどこもが普請中です。地下鉄は5日前に開通しましたが、駅舎はまだ出来上がっていません。いまだにホームのどこかで工事を続けている。
 完成したのは巨大スタジアムだけ。5万人以上を収容するスタジアムが残っても、たぶんポルトガルのどのクラブも、そんな巨大なスタジアムを毎試合、満杯にすることなど、不可能です。
 そのことをポルトガルの人々は知っています。この異常事態をただ喜んでいいものかと半分、悩んでいるといってもいいでしょう。

 われわれはずっと背伸びをつづけてきた。そして、2004年をめざしてもっと背伸びをしてしまった。その結果、どうなるのか。EURO2004景気はそこで終わってしまうじゃないか。われわれの経済は本当に再生できるのか。
 そういう口に出せない疑問を抱えたまま、EURO2004開催の成功を願わざるをえない。心情的には成功してほしい。フィーゴたちに勝ち続けてほしいと願っているのだけど、それを正面切って口に出せない屈託。そのようなポルトガルのひとびとの希望と心配の両方を感じ取っているというのが現状です。

 ポルトガルサッカー協会のジルベルト・マダイユ会長に、今回のEURO2004は、ポルトガル社会にとってどのような意義を持つのかと聞いてみました。
「各国から訪れてくれる何十万人のファンに、新しいポルトガルを見てもらう機会になること。われわれはこの日をどれだけ待ち望んできただろうか。そして、このEURO2004の開催が、新しいポルトガルの建設、たとえば、高速道路やメトロの建設など、ほかのEURO諸国並の社会公共インフラ整備のための大きな機会になったということをぜひ知ってもらいたい。EURO2004のような初の巨大プロジェクトを成功させることがわれわれポルトガル国民にとって大きな自信につながるはずだ」

「成功すれば(同時にフィーゴたちの黄金世代が最後のチャンスをものにしてくれれば)、われわれはどんなに大きな自信を持つことができるだろう」という、口に出さない願い。

 ポルトガルの友人たちの話を聞くたびに、彼らの密やかな願いを感じるのです。 

2004/06/11 22:00 from Porto 石川とら

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