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【スポバカ】EURO2004「フランス 2-1 イングランド」リスボン

 ひょっとしたら、当たりのゲームにあうかもしれない、あえればいいがなあと期待はしていたさ。だって、毎日のように見ていくんだもの。1試合くらい、そんなゲームがあってもいいじゃないかと思っていたよ。
 それが、まさか、こんなに早く「ビンゴ!」っていう具合になるなんて。

 ペナルティ・エリアに向かってドリブルで突っかけていったマケレレが、後ろから追っかけてきたヘスキーに押しつぶされる。鎖骨のあたりを押さえてうずくまっているマケレレの手前でジダンがボールをセットした。
 スタジアムのデジタル時計はちょうど90分で止まっている。

 隣に座っていたイングランド・サポの女性がぼくの右腕を握りしめた。
 彼女は心配で心配でたまらないのだ。
 ジダンが右足で蹴った瞬間、イングランドのGKジェームズはボールを見ることもできなかったのではないだろうか。ジダンが蹴ったボールは、イングランドのほぼ全員が立ちはだかっていた壁の上をすべるように飛び越え、ゴールマウスのネットを揺らしていた。

 ゴール真後ろのフランス・サポーターが絶叫する。フランスにとって起死回生のゴール。
 イングランド・サポの女の子がぼくの腕を握ったまま、「どうして?」と、うめいた。
 彼女を慰めるために、「あと3分、耐えればいいのさ。あと3分。こういうときフランスは一気に押し寄せる。それを耐えるしかないんだ、君のチームは」とぼくは言った。

 案の定、イングランドのキックオフと同時に、アンリがジダンがビルトールが、イングランド陣に突進する。右サイドでビルトールに追いつめられたのか、ジェラードがロビングのバックパスで逃げようとした球が大きくペナルティ・エリアに向かって弾むのが見えた。そこにアンリがいた。アンリがGKのジェームズをドリブルでかわした瞬間、ジェームズの手がアンリの足をはらうのが見えた。
 ペナルティー。どう見てもペナルティー。

 彼女が、ぼくのほうを見て「どうして? どうして?」と泣きそうな顔で首を振った。 ジダンが蹴ったPKはゴールネット左隅に突き刺さった。
 たった2分ほどのできごとである。

 サッカーというのは、そのようなゲームなのだ。

 後半がはじまる直前、その女の子から、
「あなたはこのゲーム、後半、どうなると思っているの?」
 とたずねられた。
「君のチームには申し訳ないけど、フランスが追い上げるね。2-1かな。少なくとも1-1になるかな。イングランドが守備的になりすぎないこと。下がりはじめたらだめ。ときどきでもいいから、カウンターを仕掛けないと。フランスの猛攻を受け身で浴びると、どんなチームだって耐えられなくなるんだ」
 とぼくは答えた。

 後半72分、左サイドでボールをもらったルーニーが仕掛けたドリブルのカウンターは、まさにイングランドが狙うべき攻撃だった。シルベストルが反対サイドからバックアップしたけど、間に合わない。シルベストルのスライディング・タックルはPKを取られ、これで試合が終わったとぼくも思った。イングランド・サポーターもフランス・サポーターも、プレス席のだれもがそう考えたはずだ。

 ベッカムはこう答えている。
「あのPKを決めておけば、あそこでこの試合は終わっていたんだ。あのキックはちゃんと当たったシュートだった。ファビアン(仏GKバルテズ)にコースを完全に読まれてしまった。ゴールするかどうかは運なのさ」

 フリー・キックとPKの2本のゴールを決めたジダンは、
「神に感謝したいゲームだった。運が向こうにいったり、こっちに来たり、そして、最終的にはフランスに味方してくれた。フランスは2002年のW杯で大失敗をしたから、ぼくらはフリー・キックの練習をずっとしてきたんだ。こういう本当に僅差のゲームではなにが起きるかわからないからね。いまデービッドがなにを考えているか、ぼくにはよくわかる」

 ジャック・サンティニ(フランス代表監督)は、
「サッカーというのはこういう奇跡のようなことが起きるものなんだ。ファビアンがPKを防いだことがが、このゲームの最大の勝因といっていいだろう。とにかく1点を追いつくために、最初のプランから変えて、ビルトールとサニョールを投入して、フランスの攻撃のギアをトップに入れたんだ。イングランドは守りも攻撃も理詰めのベスト・チームのひとつだ。こういう奇跡的な勝ちが起こりうるのだから、われわれのチームが7月4日にこのピッチに立っているということだって、あっておかしくはないだろう」

スベン・ゴラン・エリクソン(イングランド代表監督)は、
「われわれのチームは最後まで、よく守ったし、よく攻撃したし、すべてのプレーヤーがよく戦ったと思う。89分まで最高のゲームをした。しかし、たった1本のフリー・キックとペナルティー・キックが今夜のゲームを壊してしまった。残念だけど、われわれにはつきがなかった。イングランドにとってバッド・ラック・ゲームだったということだけで、われわれがやったサッカーそのものに誤りはなかったと思う。しかし、勝ち点を取れなかった以上、次の2試合に向けて全力を出し切って、決勝トーナメントへの生き残りを狙うしかないだろう」

 シルベストル(仏センターバック)は、「ベンチでこんな結末を信じていたかい?」というぼくの質問に、
「こんな筋書きのないドラマのようなゲームを想像なんてできるわけないさ。ルーニーをタックルしてしまったのは、あれは仕方なかったんだ。まさかイエローをもらうとは思っていなかったけど。あとでジェームズもイエローを取られたからね。PKもイエローも仕方ないよね。でも、あのPKをフェビアンが止めてくれたおかげで、ぼくも救われたし、守備陣全員に勇気が出てイングランドに立ち向かうことができたんだと思う。ジダンは本当に特別なプレーヤーさ」

 リザラズ(仏左サイドバック)は、
「タフなゲームだった。こういうことってあるんだよサッカーには。ぼくはバイエルン(ミュンヘン)で、99年のチャンピオンズ・リーグ決勝、ロスタイムにCKから2点を取られてマンチェスター・ユナイテッドにやられるというゲーム(「カンプノウの奇跡」)を体験したことがあるけれど、サッカーというのはどんなことだって起こりうるんだ。だから、自分たちがまたチャンピオンになることだって不思議じゃないんだって、こういう奇跡のような勝利をポジティブに受け止めるべきだと思う」

 ゲームとしては、エリクソン監督が述べたとおり、89分までイングランドが思い通り支配したゲームだった。日本戦で露呈したダイヤ型に固定したMF陣の欠点を、右サイドのベッカムと左サイドのスコールズを左右に固定せず、フレキシブルに位置取りさせることで、フランスの誇るビエラ、マケレレの両ボランチの裏のスペースへのスルーやカットインで、フランスのディフェンス陣をしばしば混乱させた。また、ルーニーやランパードがジダンやビエラ、マケレレらの突進を強烈なタックルで止めた。イングランドは、守備、攻撃とも意図通りのプレーができていた。そういう意味ではイングランドのゲームだったのだ。

 フランスは、そのような劣勢の展開を、最後の最後にまさに力業で活路を見いだしたといっていいだろう。
 それにしても、6万5000人収容のリスボン・ルス・スタジアムの7割近くを埋めたイングランド・サポーターが歌う応援歌、歓声、また最後の最後で奈落の底にたたき落とされた沈黙、フランス・サポーターの歓喜、こんな筋書きのない劇的な展開のゲームを、こんなに早く見てしまってよかったのかなあと、少し、申し訳ない気でいる。

フランス 2―1 イングランド(グループB)
[得点]:ランパード(38分・イングランド)、ジダン(91分・フランス)、ジダン(93分、フランス)

[先発メンバー]
[フランス]
GK:バルテズ
BK:リザラズ、シルベストル(79分サニョール)、テュラム、ギャラス
MF:ジダン、マケレレ(93分ダクール)、ビエラ、ピレス(75分ビルトール)
FW:アンリ、トレゼゲ

[イングランド]
GK:ジェームズ
BK:A・コール、キャンベル、キング、G・ネヴィル
MF:スコールズ(76分ハーグリーブズ)、ランパード、ジェラード、ベッカム
FW:ルーニー(76分ヘスキー)、オーウェン(69分バッセル)

レフェリー:マルクス・メルク(ドイツ)

2004/06/14 2:30 リスボンのホテルで、遠くイングランド・サポーターの涙の歌声を聞きながら。石川とら
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