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【スポバカ】 EURO2004 「クロアチア 2-4 イングランド」リスボン

 グループBの生き残りを賭けた第3戦「クロアチア─イングランド」の直接対決。クロアチアは2試合を終えて引き分け2の勝ち点「2」。イングランドはスイスから1勝、フランスに負けての勝ち点「3」。引き分け以上でイングランドの2位が確定。クロアチアが勝てば、クロアチアがベスト8に残る。

 スイスを「3-0」で一蹴して、第1戦ロスタイムの悲劇から気を取り直したイングランドがどのようなゲームをできるか。
 ゲーム前、イングランドのサポーターたちに聞いてみると、
「イングランドが勝つと信じているけど、クロアチアは強敵だから。ルーニーの調子がいいので、彼が決めてくれるのを祈っている」
 という返事が多かった。サポーターたちにフランス戦の前のような空元気はない。

 第1戦のフランス戦に比べると、第3戦はもともとイングランド・サポーターのあいだでも人気が落ちるカードなのか、スタジアム周辺にいるダフ屋のチケットの値段もフランス戦が500ユーロと高かったのに、今日は250ユーロ止まり。
「倶利伽羅紋紋(くりからもんもん)」のタコ入道のようなイングランド・サポの数が第1戦よりもずっと少ない。
 イングランド・サポーターのあいだにも、決勝トーナメントに残れない可能性のあるゲームを見るのはつらいという微妙なファン心理が働いているのかもしれない。

 クロアチア・サポーターの方は
「うちが勝つに決まっているじゃないか。フランスには、こちらのミスで引き分けにされただけだぜ」
 と意気軒昂。
 旧東欧勢のなかでは、クロアチアからやって来たサポーターがもっとも数が多い。イングランド・サポーターが3万人、クロアチア・サポーターは1万人というところだろうが、クロアチア・サポーターは体が大きいし、ひとりひとりの声もでかい。声援の大きさではいい勝負。

クロアチア 2-4 イングランド

◇得点:
クロアチア:N・コバチ(5分)、トゥドール(73分)
イングランド:スコールズ(40分)、ルーニー(46分)、ルーニー(68分)、ランパード(79分)

◇先発メンバー
[クロアチア] 「4─4─2」
GK:ブティナ
DF:シムニッチ、R・コバチ(46分モルナル)、トゥドール、シミッチ(67分スルナ)
MF:ラパイッチ(55分オリッチ)、ジブコビッチ、N・コバチ、ロッソ
FW:ソコタ、プルソ

[イングランド] 「4─4─2」
GK:ジェームズ
DF:A・コール、キャンベル、テリー、G・ネヴィルMF:スコールズ(70分キング)、ランパード(84分P・ネヴィル)、ジェラード、ベッカム
FW:ルーニー(72分バッセル)、オーウェン

レフェリー:ピエルルイジ・コッリーナ

グループB最終順位         勝   分   敗   総得点  総失点  ポイント
フランス     2   1   0    7    4     7
イングランド   2   0   1    8    4     6
クロアチア    0   2   1    4    6     2
スイス      0   1   2    1    6     1


 前半開始早々の5分、クロアチアのゴール前に上げたFKの処理をイングランドがもたつき、こぼれ球をN・コバチがけり込んで、クロアチアがあっけなく先制。
 クロアチア・サポーター、一気にヒート。発煙筒まで焚く始末。
 イングランド・サポーター、凍り付いたように沈黙。

 しかし、ゲームというのは面白い。同点でもよかった(つまり、バランスよく守ればよかったはずの)イングランドが序盤から1点ビハインドの展開になってしまったため、攻めに攻めるゲームになってしまったのである。

 ゲーム・メモをいま見直してみると、前半30分過ぎまで、ボール・ポゼッションでも、セット・プレーやシュート数でも、イングランドが圧倒的に押しまくっている。
 リードしているのだから、クロアチアも後ろでパス回しをしたり、ドリブルで相手ファウルを誘ったりというゲームができるはずなのだが、イングランドの速攻のテンポに合わせて、カウンターの応酬というゲームになってしまった。1点リードされているイングランド・ペースのゲームが続く。

 クロアチアにバックパスなどさせないくらい、オーウェンもルーニーも敵陣深くプレスをかけ、パスコースを絞り込んで中盤がインターセプト。と同時にカウンター。また、左サイドバックのA・コールがしばしば駆け上がって、スコールズと連動して、左サイドからクロスで崩す。

 前半40分、ジェラードからのスルーパスをオーウェンがシュート。GKのはじいたボールを、ルーニーがヘッドで右に振り、ゴール前に寄せていたスコールズが決めて同点。スコールズ、その前もイングランドのシュートのたびにゴール前につめていたが、ペナルティ・エリア内でこぼれ球を拾う感覚は、相変わらず抜群。

 これでゲームは振り出しに。そのまま前半終了と思われた46分、ランパードがドリブルで中央を突破。クロアチアのMF、プレスにいかない。あれあれっという間に、オーウェン、スコールズと回り、最後はルーニーが強烈な弾丸シュート。
 確かにルーニー、決定力があります。先月の日本戦のときとは別人。

 それにしてもクロアチア、追加点を取られる時間帯が悪すぎる。あそこは「1-1」で折り返さなければ。ハーフタイムになっても、イングランド・サポーターが歌う「スイート・チャリオット」が止まらない。

 後半序盤はほぼイーブン・ペース。クロアチアは、疲れの見えたラパイッチに代えてオリッチを投入。オリッチが左サイドから最高のクロスを入れるのだが、ゴール前で合わない。
 勝ち越すしか決勝トーナメント進出の望みのないクロアチア、後半12分にはスルナを入れて、3バック、前4人の布陣にして仕掛けるが、だいたいこういう展開になると、カウンターを食らってしまうもの。

 後半67分、オーウェンへのカウンターのパスが決まり、オーウェンからゴール前でパスをもらったルーニーが落ち着いて決めて「1-3」。クロアチアもその3分後にコーナーキックから1点を入れはしたものの、ゲームはルーニーの2点目のゴールで決まった。79分にはランパードがドリブルで持ち込み、そのままシュートして4点目。「2-4」と、イングランド・ファンにはこたえられないイングランド大勝のゲーム。

 ゲーム後のエリクソン監督は上機嫌。
「今日のゲームはまさにイングランド・デイとでもいうべき、ファンタスティックなゲーム。すべての選手がやるべきことを完璧にやったゲームだった。ルーニーはゴール・ゲッターとしてだけでなく、MFみたいに自陣に下がって守備もできるトータルなフットボール・プレーヤーだ。彼にはいまなにも言うこともない。彼がプレーしたいようにさせていいし、2戦続けて素晴らしい結果を残してくれた。準決勝で当たるポルトガルはスペインを破った強力なチーム。タフなゲームになるだろうが、今日のゲームのように全力で当たりたい」

 残念ながら、ルーニーはミックス・ゾーンに登場せず。代わってベッカムとオーウェンがルーニーを絶賛。
「あいつは本当にたいしたヤツさ。あんなに落ち着いてキメてしまうんだから。スコールズはイングランドの強力な武器のひとつ。今日のゲームはMF全員、運動量も相手を上回って、ボール・キープもパス回しも思い通りにできたことが勝因だと思う」

 GKのジェームズに、先月の日本戦当時よりチーム状態がよくなったねと聞くと、
「あのときの日本は素晴らしかったからね。今日の勝利でみんなこれでやれると自信を持つことができたから、最高にいい状態でポルトガルと当たることになる。フィーゴやデコがいるチームだからタフなゲームになると思うけど、いいゲームになると思うから」
 との答えだった。

 クロアチアのバリッチ監督は敗因について、
「試合直前のウォーミングアップで中心選手のR・コバチが故障してしまい(前半で交代)、自分たちのゲームをすることができなかった。イングランドがいいサッカーをした」
 と語り、 イングランド・プレスからの「ルーニー現象」についての度重なる質問に、
「たしかにルーニーはいいゴールゲッターだ。ただし、ルーニーを止めるディフェンダーはEUROには10人はいると思うね」
 と、少々、憮然として答えた。

 イングランド・プレスの明日の記事の目玉はルーニーなのだが、肝心のルーニー、「マン・オブ・ザ・マッチ」のトロフィーをもらったものの、質問にも応えずにロッカールームに引き上げてしまい、記事のネタがなくてみんな困ってしまっている。

2004/06/22 4:30 リスボンのホテルにて。石川とら


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