Google

Entries

災害教育

阪神淡路大震災から十年が経った。被災から五年間、毎年十数回は神戸に出かけて被災者の追跡調査をしていたのだが、昨年はとうとう一回しか出かけることができなかった。

避難所、仮設住宅、復興高齢者住宅と、次々に転居していった方々と連絡がつかなくなったり、記事を書く誌面を調達できなくなったりで、個人の作業としては経済的に続けられなくなったのが大きな理由だが、震災の記憶は、被災当事者でない筆者には、そのように風化してきた。

家族を失い、家や仕事を突然なくした被災者にとっては忘れたりすることのできない記憶である。被災後の生活再建の十年は精神的にも経済的にも筆舌につくしがたい苦闘の連続だったし、被災で生じた債務返済という現実問題との格闘が今後も続く。

雲仙普賢岳噴火災害以後、日本ではさまざまな被災者救済策が制度化され、被災者が路頭に迷うという悲惨な事態は避けられるようになった。
しかし、今回のスマトラ沖地震津波災害の主要被災地であるインドネシア、スリランカなどの財政事情を考えれば、二〇〇~三〇〇万人という膨大な数の被災者の救済事業は国際支援に頼らざるをえない。政府間ベースの支援はもちろん、民間の篤志による長期的な支援が欠かせない。

緊急医療支援には、国連や各国政府、NGO諸団体が懸命に取り組んでいるが、今後、恒久的な病院の建設、被災孤児院設立、被災者自立のための融資制度の創立といったさまざまな支援策に、遠く離れた日本からでも、また個人であっても協力参加できることはいくらでもある。

とくに教育現場で、中学生や高校生の方々に、自分たちにもなにかできないかという課題を考えていただけたらと思う。
災害という、あなたの身の回りにもいつ突然起こるかわからない事態について考えてみること、防災意識を身につけること、日本とアジア諸国との関係について考えること、社会参加やボランティアとはどんなことかを実体験すること――といった、社会と自分の関係を考える生きた教材ともなるはずだ。

(2005年1月18日「愛媛新聞」掲載)
スポンサーサイト
-->
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://tra3.blog43.fc2.com/tb.php/26-828cdf72

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

プロフィール

「どうも。石川とらでーす」

Author:「どうも。石川とらでーす」
筆者プロフィール==>
http://tra3.blog43.fc2.com/blog-entry-2.html

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

href="https://blog.fc2.com/">blog) カワイイ☆ブログランキング