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ワールド・ベースボール・クラシック レポート 日本に戻って

昨日(23日)、成田帰着。
そのまま雑誌4社でゲラを読んだり、原稿を書いたり、電話でコメントを話したりで、家に帰り着いたら夜中過ぎで、バタンキュー。

読売ウィークリーの担当のNさん、東京駅まで迎えに来てくれ、これで一杯やってくださいと、テキーラの差し入れ。
ありがたい。Nさん、読売の方だけど、ロッテファン。今回の「王ジャパン」にはロッテ勢が8人も選ばれていたから、気が気でなかった。

来週売りの「読売ウィークリー」「フラッシュ」「週刊プレイボーイ」「週刊朝日」ほか、執筆、コメント出ししています。
元気なニュースが出ている号なので、買って読んでいただければ。

たぶん、来週の火曜日の夕方17時からのラジオ、ニッポン放送の高島秀武さんの番組にはナマで「王ジャパン」優勝の舞台裏の話をすることになるでしょう。

さて、たくさんのコメントありがとう。
肉体的には(とくに夜のドライブと食事が)ハードな一人旅でしたので、励ましのコメントやメールがないと、きつい旅でした。事故もなく帰国できました。

練習を見て、ゲームを見て、記者会見やゲーム後の取材をして、テンションが上がった状態のまま夜のフリーウェーを飛ばしてホテルに戻って、原稿を書いて日本に送り、ブログには、雑誌やasahi.comで書けなかったことを書いて。

けっこうストレスがたまりますねえ。最後の4日間くらいは、風呂も入れず、ベッドにも入らずという状態になりました。

単純な足し算ができなくなったり(時差の計算ができなくなった)、日時の感覚がなくなってきたり(明後日が何日で何曜日かという感覚がゼロになりました)、これは2002年のW杯やEURO2004のときも同様の事が起こりましたが、脳のなかのどこかの部分の機能が使えなくなっていたのだと思います。
本来、簡単な計算をしたりする部分が、野球の取材のためか、あるいは言語対応のために、コンピューターの仮想メモリーのように使われていたんじゃないかなあ。

これは取材していたぼくだけでなく、イチロー君なんかも精神状態や脳の運動機能が普段と違うようになっていたように思います。

優勝したあとのイチローのテンションの高さ、すごかった。
試合後、30分以上経って、会見室で2メートルほどの距離で彼と向き合って話を聞いたのだけど、「興奮醒めやらず」状態が続いていて、体をときどきピクピクッと振るわせながら話すイチローって、ぼくもああいうイチローを見たのはじめて。

イチローの極度の興奮状態、集中状態が、最後の2試合、感じられたから、そのことを質問しました。――「ターボエンジンを爆発させたようなプレーをさせた集中心の理由」http://www2.asahi.com/wbc2006/ishikawa12.html
会見場の日本の記者諸君、どうして、そんな当たり前の質問をするのかと感じた記者が多かったようですね。

「ハイ。そのとおりです」と、答えたイチロー君の反応、「あなたはわかって見てくれていたんですね」という好意的な返事だったとぼくは勝手に解釈していますが。
あまりに簡単すぎる答えだったので、もっと説明しなさいと促して、彼の長いコメントがはじまるのだけど、それは新聞にも出ていると思います。

スポーツを取材していると、トップ・アスリートの極限のパフォーマンスに感動させられることがしばしばあります。
野球というゲームで、なぜそのようなファインプレーや劇的な逆転劇が起きたのかという点について、解き明かさねばならないケースは実は少ない。名選手、スターと呼ばれるプレーヤーであれば、彼ならそういうプレーをして当然だという暗黙の了解のようなものを、記者でさえ持ってしまうのです。

でも、どんな名選手であっても、4割は打てない。3分の2は統計論的には失敗するのです、野球では。
なのに、ここというところで、そのプレーヤーが爆発するのはそれなりの論理的な解明が可能なはずなのですが、そのことについて本人から納得がいく話を聞く機会ってなかなかないんですね。

プレスボックス(記者席)では選手の表情をアップで見ることはまずできないのでね。
たぶん、イチローや日本の選手の気合いの入り方というのは、日本でテレビを観ていた方のほうが強く感じていたはずです。
記者席というのは、バッターボックスまで25メートルくらい、1塁ベースまで35メートルくらい離れていますし、斜め上から見下ろしている状態なので、目の表情なんてわかりません。

アウトカウント、ボールカウント、得点状況とかを頭に入れた状態で、プレーを予測しながら、つまり選手と同じ心情になってゲームを見つめているわけです。

どこが気合いが入っているプレーなのか、通常のイチローとどこが違うのかという点を、プレーのなかで感じながら見ているのです。

準決勝であれば、ノーアウトで、ヒットで出塁したイチローが、初球から盗塁をしかけた。
これ、通常ならありえない。次は4番の松中なわけですから、普通の野球の考え方では初球から2塁に走ることはない。松中の打ちたいように打たせたいとなるところですから。

自分が1塁にいるままの状態よりも、2塁に進んで、松中の打撃に賭けたほうが得点の確率が高くなる。できれば、松中がカウントを追い込まれるまえに自分は2塁に行こう。
そうすれば、内野ゴロでも1アウト3塁。また内野ゴロ、外野フライでも1点という可能性が広がる。
でも、これは、100%盗塁を成功させるという自信がなければできないプレーです。
自分が普段やっているプレーなら80%成功できると思うプレーでも、それなら120の力を出して100%成功させるんだという気構えがないとできないプレーなのですね。心のなかに迷いがあったらできない。

別の例。
決勝戦のたとえば、5回の追加点のシーン。2塁打で出たイチローが松中のライト前ヒットで進んでノーアウト1・3塁のとき。多村君が打った強烈な3塁ゴロでイチローがホームに還ったシーンがありあしたが、たとえば、いちばんよくあるのは、あそこで3塁ランナーが逡巡してしまうケースです。最悪の場合は、3塁ベースに戻れずにタッチアウトになったりする。
当たりが強烈だったから、三塁手のエンリケは、一度はホームアウトを狙うのですが、イチローのスタートの速さに間に合わないと迷ってファーストに投げ、それもセーフにしてしまった。イチローはホームに向かってスタートを切っていますから、エンリケがボールを取ったかどうかも見ていないはずです。
もしボールを処理されていたら、「5-4-3」でダブルプレーになってしまう可能性もあるから、ホームに投げさせて、際どいプレーにさせて追加点を取れればベスト、もし得点できなくてもダブルプレーは防ぐということが頭でもわかっていて、体もそれに反応できなければならない。

これ、頭で考えると簡単なようで、体がそのように反応できるかどうか。ときとしてそれができないのが野球なのです。
あのときのイチローのスタートのすごかったこと。あの2試合の日本チームの走塁、イチローに限らず、みんなすごかったなあ。

決勝戦のイチロー、打撃も1本、セカンドゴロがありましたが、ショート・ライナーになったのも含めて、3本は、完璧にボールをヒットしていますね。

走塁も打撃も、そういうプレーは、類い希な集中力が可能にさせたと解釈できるのですが、その集中力をイチローにもたらしたものは何だったのか。
それをイチローの口からしゃべらせないといけないと思ったのが、記者会見でのやりとりでした。

記者諸君たちの原稿、予想できるのですよ。みんな予定調和で書いていますからね。
でも、それではいけないのです。ああいう試合は。
テレビで見ているファンにはもどかしくてたまらないでしょう。そんな記事だけでは。

長くなりそうなので、思い直して書いておかないといけないことや、WBCの総括は書きましょう。
もうちょっと待っててください。

2006/03/24 石川とら
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1件のコメント

[C151] おかえりなさい

お疲れ様でした。やっと孤独から解放されますね(笑)
総括まってまーす
  • 2006-03-24
  • バルセロナの守本
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