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ワールド・ベースボール・クラシック総括レポート 2 「運営と施設」

まず試合の運営から。
決勝戦の直前のオープニング・セレモニーのときのことを、取材に入っていた平尾光宏カメラマンから、こんな指摘がありました。

「この日、試合開始前、ブルペンにぴったりついて撮影していたのですが
松坂投手はセレモニーのため通常の練習を行えず投げ込みも少なく
少し困っていたので立ち上がりが凄く心配ではありました。
ブルペン~センター方向への遠投は主催者より駄目だしをされ遠投できず、
ビジター側のブルペンの捕手の後ろにある扉より各国の国旗やキューバ 選手が入場するため、
松坂投手の投球がそれて当たると危険とのことからブルペンでの投球も 中断したり、
左側で投げていたのを右側の壁近くの方で仕方なく投げたり、大変そうでした。」

松坂投手がこのとき、首筋を痛めたことが帰国後、判明しています。ホームランを打たれたのも、これが原因だったようです。

こういう話を聞くと、MLB、なにをしてるんだという気になりますね。
もともと、春先の体調が完璧に仕上がっていない時期のトーナメントである以上、出場選手の体調面を最優先にした運営がなされないと困る。

日本プロ野球機構は、具体的なこういう問題点を選手からも指摘してもらって、MLBに対して、次回大会への注文を付けなければなりません。

フロリダとカリフォルニアという暖かい場所での開催でしたが、それでもアナハイムのスタジアムから眺める山々には雪が積もっており、ナイト・ゲームはフリースかウィンドブレーカーがないといけないくらい寒かった。今年は例年にない寒さだということもあったみたいだけど。
遅い時間のナイト・ゲームを避けることを最優先にして試合時間の設定をするべきでしょう。
青い空、緑の芝生の素晴らしいスタジアムでの試合なのだから、決勝もデー・ゲームにするべきです。
春先設定のスケジュールで次回も開催するのであれば、テレビ側の注文よりも、まず選手の安全を考えることを優先しないと、辞退選手は出てくるでしょう。

大会の開催期間自体は1次リーグ「アジアラウンド」の開始3月3日から決勝の3月20日まで20日間弱でしたが、各チームのキャンプインから含めると、約1か月。

アメリカのマルティネス監督は、アメリカチームの敗因の原因のひとつとして、チーム合流から大会までの間にオープン戦などを入れることができなかったことを挙げています。
キャンプからトレーニング、大会直前のオープン戦での調整まで含めたスケジュール運営管理を考えないと、故障者が出ます。

そういう点を考えると、1次リーグの「アジアラウンド」以外を、アリゾナ、フロリダ、プエルトリコという温暖な地で開催しようとしたのは適切な配慮だったはずですが、アリゾナの日本キャンプから合流した記者によれば、アリゾナは陽が陰ると、極端に気温が下がったとの報告も来ています。

「アジアラウンド」が可能なのであれば、1次リーグについては、温暖なドミニカでの「カリブラウンド」といった開催が検討されてもいいでしょう。

開催地の問題を述べたついでに言うと、日本での開催、WBCの日本への誘致は、施設的な問題から言って、非常にむずかしい。
大会というのは、試合だけやればいいというのではないのです。練習場をどうするのか。オープン戦の相手をどうするのか――といった付帯条件を考えると、まだまだ無理です。

だいたい内野のダイヤモンドにも天然芝を使った国際規格のグラウンドがほとんどない日本で開催しようとしても、MLBはもちろん、ほかの参加国の同意を取り付けるのは不可能でしょう。

「MLBが一方的に開催しようとした大会じゃないか」というWBCに批判的だった方々には、では、それだけの施設や付帯条件を満足させられる場所があるかどうかを考えたうえで、対案を出してもらいたい。

サッカーのW杯の招致が成功したのは、国の予算によるスタジアム整備が行われたおかげです。
つまり、そういう国際的な大トーナメントを開催するということは、実はそういうコストをだれが負担するのかという問題を考えなければなりません。
公的な予算でそういうものを整備するには、野球ファンだけではなく、広く一般の合意がなければならないでしょう。

WBCを誘致するとかの議論以前に、いまは日本国内には、鶴岡と宮崎など限られた総合天然芝グラウンドしかないことを改善しないとだめだし、プロ野球の天然芝グラウンドが神戸にしかないことを反省しなければ。

そのような天然芝グラウンドでプロ野球の試合も行おうという具合にならないと、日本球界が主導してWBCをなどという日は来ません。

2006/03/28 石川とら
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1件のコメント

[C160] 天然芝球場

あの劇的な WBC 勝利以来、「日本野球は世界一」的な盛り上がりをしていて、それはそれで結構なのだけれど、とらさんが指摘されているような問題点を忘れてはいけないと思います。
アメリカで見かける1カ所に何面もあるグラウンド群、飛行機で上空から見るたびにうらやましくなりますし、天然芝の美しい球場にはいつもいい気分にさせられます。
土地が狭い日本では現実的に難しいそうなのですが、見る側にとってもプレイする側にとっても(実はこれが一番)天然芝球場が良いのは明らかなことです。WBC を契機にこれから健全な野球文化が育って、国際規格の天然芝球場が増えてくれたら・・とわずかながら期待もしています。

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