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【スポバカ】EURO2004 準決勝「ポルトガル 2-1 オランダ」

 昨日(6月29日)、ポルトの街で、えんじに緑と黄色、ポルトガル国旗のトリコロールのネクタイを買った。
 
 そろそろ、どのチームに気合いを入れて見ることにするか、決めなけりゃならない。
 日本から来たプレスはオブザーバー(傍観者・第三者)ですって? そりゃ立場はそうだけどね。
 でも、勝負事を見ようっていうんだから、そんな評論家みたいな見方をしたって面白くもなんともないじゃないか。

 さすがにポルトガルの国旗やタオルを首に巻いて取材するわけにもいかないから、今日はさり気なくだけど、ネクタイだけポルトガル・カラーにしてアルバラーデ・スタジアムに出かけた。

 オランダには選手や協会、プレス、ここ数年、仲よくしてくれる友人たちはいる。ぼくが大好きなオーフェルマルスもいるけど、今日のゲーム、オランダに勝ち味があるかというと、どうもそんな感じがしないのだ。

 開催国相手に、それも相手の首都でポルトガルを圧倒する迫力があるチームなら、オランダはEURO2000でも、あるいはW杯でも、あんな失敗はしなかったろう。

 オランダが勝ちきれないのはなぜか。ファイティング・スピリットにモチベーション。オランダにはそれが足りないといつも思う。彼らは肝心なところでいつもやさしくなる。

 プレス・ルームにはいつもどおり、ゲーム開始の2時間前に入る。
 ポルトガルのベテラン記者連中、いちばん奥の席でいつものようにカードで時間つぶし。ポルトガルはパウレタがイエロー累積の欠場明けで出てくる以外は、チームをいじらなければならないところはない。

 前代表チームの広報担当だったホセ・カルロス・フレイタス(「Record」の編集長)が、シガリロをくわえたまま「今日もなんにも問題はないさ。心配しなさんな」とカードを切りながら軽口を叩く。

 準々決勝イングランド戦のあと、途中交代させられたフィーゴの機嫌が悪かったのだが(ミックス・ゾーンにも現れなかった)、チームが勝ち残れば、そんな問題もどうでもよくなるらしい。

 試合開始1時間前、先発メンバーの発表。

[ポルトガル] 
GK:リカルド(スポルティング)
DF:ヌノ・バレンテ(FCポルト)、リカルド・カルバリョ(FCポルト)、ジョルジ・アンドラーデ(デポルティーボ)、ミゲル(ベンフィカ)
MF:コスティーニャ(FCポルト)、マニシェ(FCポルト)→87分コウト(ラツィオ)、デコ(FCポルト)、フィーゴ(レアル・マドリード)
FW:パウレタ(パリ・サンジェルマン)→75分ヌノ・ゴメス(ベンフィカ)、クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスターU)→67分ペティト(ベンフィカ)

    ポルトガル「4-2-3-1」

       GK リカルド

    アンドラーデ カルバリョ
ミゲル              バレンテ

    マニシェ   コスティーニャ

         デコ
   フィーゴ       C・ロナウド

        パウレタ
         ↓

         ↑
    オランダ「4-3-2-1」

     ファンニステルロイ

 ロッベン         オフェルマルス

    セードルフ    ダービッツ

          コクー

ファンブロンクホルスト         ライジハー
        バウマ  スタム

         GK フェンデルサール

GK:ファンデルサール(フルハム)
DF:ファンブロンクホルスト(バルセロナ)、バウマ(PSV)→56分ファンデルファールト(アヤックス)、スタム(ラツィオ)、ライジハー(バルセロナ)
MF:コクー(バルセロナ→PSV)、ダービッツ(バルセロナ)、セードルフ(ACミラン)、オーフェルマルス(バルセロナ)→46分マカーイ(バイエルン・ミュンヘン)、ロッベン(PSV)→81分ファンホーイドンク(フェネルバチェ)
 FW:ファンニステルロイ(マンチェスターU)

レフェリー:アンデルス・フリスク(デンマーク)

 オランダは右サイドにオーフェルマルスを使ってきた。オーフェルマルスもこの大会を最後に代表から引退するだろう。ぼくにはありがたい先発起用。

 ホームのポルトガル、前半最初から飛ばす。フィーゴが、ドリブルで何度もしかけては左右からクロスを入れる。ゴール前のクリスティアーノ・ロナウドにあと一歩というチャンス。ポルトガル・サポーター、立ち上がって拍手。

 オランダはオーフェルマルスがときどきクロスを入れるが、ポルトガル・ディフェンダー、落ち着いてカット。
 26分、クリスティアーノ・ロナウドの左サイド突破で得た初めてのCKのチャンス(左CK・キッカーはデコ)。オランダ・ディフェンス、ロナウドをノーマークにしてしまい、ポルトガルに簡単に先取点を許してしまう。「1─0」。

 どうしてなのかなあ? 得点になってしまう展開じゃないだろうに。どうしてあそこで集中力が途切れてしまうのだろうか。

 その後も、オランダ・ディフェンスは、再三、フィーゴに左右を破られ(ゴール・ポストを叩くシュートまで打たれる始末)、左のファンブロンクホルストも右のライジハーもまったく攻撃に参加できず。オーフェルマルスがいくらクロスを入れても、単発の攻撃のみ。ライジハー、あるいはセードルフがオーバーラップするような展開にならないのは、ポルトガルが先にサイド攻撃を仕掛けつづけた結果。ファンニステルロイがゴール前でボールに触るチャンスがほとんどないので、オランダ、どうすることもできず。

 前半「1─0」のまま終了。

 後半、オランダ、オーフェルマルスに代えてマカーイを投入。しかし、マカーイを入れてファンニステルロイとの2トップではなく、右ウィングでのマカーイの起用は、今大会前のテストマッチでも成功していない。ファンニステルロイのワントップだと、彼の個人技頼みの攻撃にしかならないのだ。ぼくは基本的にオランダは「4─4─2」でいくべきだという考え方。

 前半の動きを見るかぎり、左サイドでなにもできなかったロッペンは、今日は期待薄。

 56分には、バウマを下げて、ファンデルファールトを中盤に入れ、コクーがセンターバックに。

 ファンデルファールトの2列目からの飛び出しを狙うということなのだろうけど、ポルトガル・ディフェンスが、ファンニステルロイに自由にポストプレーもさせないから、ファンデルファールトの投入も効果なし。

 57分、ポルトガル、左CKからオプション・プレー。マニシェがショート・コーナーからドリブルでカットイン、芸術的なカーブをかけた約30メートルのミドルシュートで、ファー側のサイド・ネットを揺らす追加点。ポルトガル・サポーター、タオルを振って総立ち。「2─0」。これで決まりか。

 しかし、63分、オランダの左サイドからのクロスボールをジョルジ・アンドラーデがクリア・ミス。オウン・ゴールで「2─1」に。
 GKのリカルド、アンドラーデの尻を叩いて、「心配するな」と一言。

 81分、アドフォカート監督は、ファンホーイドンクを入れて、パワーゲームに持ち込むが、ポルトガル・ディフェンス、守り勝つ。
 
ポルトガル 2-1 オランダ

得点
 ポルトガル:26分・クリスティアーノ・ロナウド、58分・マニシェ
 オランダ:63分・ジョルジョ・アンドラーデ(オウン・ゴール)


 この勝負、オランダが前半に攻められなかったことにつきる。

 ゲーム後、両チームのディフェンダーに話を聞いた。
 ライジハーに
 ――今日の敗因は、君たちが攻められなかったからなのか、それともポルトガルに守り勝たれたゲームだったのか?
 と聞くと、
「ポルトガルが守り勝ったゲームだ。前半はともかく、後半はぼくらも攻め上がった。でも、向こうに止められてしまった」
 ――後半は上がれと、アドフォカート監督からハーフタイムに指示が出たのかい?
「そうだ。リードされた以上、行かないといけないからね。何度か危ないカウンターをやられたけど、オーバーラップして上がるようにしてから、オランダにもチャンスはあったと思う」

 アドフォカート監督から、前半は守備のバランスを崩すな、無理をするなという注意も出ていたんだろう。ホームのポルトガル相手に受け身に回ってしまっては、先取点を許す苦しい展開になってもやむをえない。
 ポルトガルはポストを叩くシュートが2本、ファンデルサールのファインセーブでなんとか止めたシュートも2本か3本。「2-1」の僅差に見えて、オランダに勝ち目がほどんど見えなかったゲームだ。

 オウン・ゴールのジョルジ・アンドラーデは、
「あれはぼくの失敗さ。でも、うちの守備はゲームを通じて、ほかは完璧だっただろう。あの後だって、ゴールを許すような危険な展開にはさせない自信があった」
 と話してくれた。

 そのとおりで、オランダがクロスを入れようとしたときに、両サイドバックが適切なマークをしているのは当然だが、両ボランチのコスティーニャ、マニシェ、ときにはデコまでがパスコースに走り込んで、インターセプトするケースが多かった。ポルトガルのMF、DF陣の走り勝ちというゲームだったということができるだろう。

 フェリペ・スコラーリ監督、ゲーム後の会見で、「ポルトガル協会から契約の2年延長の要請が、昨日あった。私はこれを喜んで受け入れる」と発表。

 これでスコラーリ監督、完全にチームを掌握することになる。たとえフィーゴであろうと、どんなベテラン選手であろうと、スコラーリ監督の選手起用や戦術に口をはさむことはできなくなる。初戦のギリシャ戦の失敗から1勝、1勝と積み上げてきて、ついに決勝進出を決め、ポルトガル・チーム、また団結したという印象だ。

(6月30日 午前3時半 リスボンより) 石川とら


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