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【スポバカ】MLB ヤンキース-タイガース(7/6・7、ニューヨーク)

7月6日、無事、NYに到着。

 NYでMLB(メジャーリーグ)の取材を一緒に回るシャノン・ヒギンスと合流。
 シャノン君は、日本育ちのアメリカ人カメラマン。滞日20数年。熱狂的な阪神タイガース・ファンで、容貌もちょっと似ているので(金髪で目がブルーでヒゲ生やしてて、ちょっと太めの体型というだけですが、阪神ファンにはそれで十分バースに見えるらしい)、「浪花のバース」として、甲子園界隈や「虎キチ系」スポーツ紙ではちょっと知られているカメラマンです。

 シャノンは英語と大阪弁のバイリンガル。シャノンと野球の話をはじめると、ぼくの言語生活も濃密な日本語の生活に戻ることになります。

 NYも暑いですね。いまネットしているマンハッタンのブライトン・パーク(NY市の市立公園)は、小さな公園だけど、公園の無線LANが無料で利用でき、しかも野外ロック・コンサート付き。木陰でランチを食べながら、原稿を書いています。ヨーロッパでも、ここNYでも無線LANサービスが使えるところが増えてきています。海外に出かけようという方には、無線LANカードか無線LAN内蔵式のノートパソコンをお持ちになることをおすすめします。出かけたいイベントや旅情報、なんでも無料で拾うことができるのはありがたい。

 今回のMLBの観戦予定は、6~8日がNY。ヤンキース・スタジアムでのデトロイト・タイガース戦を2試合。タンパベイ・デビルレイズ戦を1試合。
 9日にシカゴに飛んで、「シカゴ・ホワイトソックス-シアトル・マリナーズ」戦を2試合。
 その後、ヒューストンに移動して、「2004オールスター」。ヒューストンからまた北に戻ってデトロイトで「タイガース-NYヤンキース」戦を2試合見て、シアトルに飛んで、マリナーズのホームゲームを5連戦という日程です。

 今回はアメリカン・リーグのカードばかりを見ます。それも、とっくにペナント・レースから脱落してしまった感のあるマリナーズ(それでもイチロー選手をたっぷり見たい)とヤンキース戦を中心に見ます。デトロイト戦を見るのは、シャノン君からの「タイガース戦を入れてね」という願いを満たすカードを選ぶと、この日程にしかならなかったのです。まあ、今年のデトロイトはイバン・ロドリゲスも移籍してきて、昨年のような屈辱的シーズンにはならないからいいですけども。

 今回のカード選択の基本は、やはりオールスター戦に備えて、いちばん数多くの選手が選ばれることになるNYヤンキース戦を見ておかないといけないということで、ぼく自身はヤンキースのファンではありません。
 NYでの「ヤンキース-メッツ」のサブウェイ・シリーズは、残念ながら、EUROのセミ・ファイナル、ファイナルとぶつかってしまいました。シャノンはシェイ・スタジアム(NYメッツの本拠地)でのサブウェイ・シリーズ3連戦からNY入りしており、松井稼頭央選手の活躍は撮影できたとのこと。リトル・マツイ、大試合には強いところを見せているようです。

 昨晩(7月7日)遅く、オールスター戦の両リーグの32番目のファン選抜(ネット投票)選手として、松井秀喜選手が選ばれたという連絡が、ヤンキース担当の日本人プレスの連絡網から入りました。日本でもニュースで流れているとは思いますが、松井秀喜選手のコメント、紹介しておきます。
「ファンのみなさんの後押しのおかげで、運よく選ばれることになりました。プレーする機会があれば、ベストをつくしてがんばりたいと思います」
「昨年の同僚、クレメンスと対決することになったら?」という質問に、
「対戦があるかどうかはわからないけども、もし、打てるようだったら、ぜひ勝負してみたい」
 との答えだそうです。

 さて、7月6日と7日の「NYヤンキース-デトロイト・タイガース」戦について、少し書いておきます。7月6日は現地夜7時5分開始のナイト・ゲーム。フランクフルトからNYに昼過ぎに到着してそのまま球場入りという時差ボケで寝ぼけなまこをこすりながらの観戦でした。

 ヤンキースのエース、ムッシーナがピリッとしない投球で、6回に打者一巡で5点を奪われ、その時点で「7-1」。ヤンキース打線もデトロイトの先発J・ジョンソン投手の硬軟取り混ぜたコンビネーションに沈黙したまま、「9-1」で敗戦。

 10数年ぶりにスコアブックを付けながらの観戦でしたが、眠りたくなってしまうゲームで、4万1000人入ったファンも、7回終わった時点で半分は帰ってしまったヤンキース完敗のゲーム。

 松井秀喜選手は7番レフトで先発。3打席凡退。イバン・ロドリゲス捕手の巧みなリードで、1打席目に「2ストライク0ボール」に追い込まれて、3球目を打たされたのがたたったのか、あとの2打席も早撃ちになってしまったように見えました。

 このゲームで興味深かったのは、デトロイトのジョンソン投手。彼は若年性の糖尿病の患者だそうです。彼のお尻のポケットのところになにかぶら下がっているので、「ウサギの足」かなんかをぶら下げているのかな(メジャーにはそういう縁起をかつぐ選手がたまにいます)と思っていたら、インシュリンの注射器ということでした。試合中でも、いつでも必要なときはインシュリンを緊急注射するんだそうです。彼が活躍すると、糖尿病の患者の少年たちには大きな励みになりますし、糖尿病についての社会の理解も広がってきます。ジョンソン投手自身がそういうことまで考えているかどうかは別にして、メジャー・リーガーたちはプレーをすることによって社会に貢献するというケースがよくあります。

 7月7日は午後1時5分開始のデー・ゲーム。
 連戦連戦で折り返し近くのデー・ゲームは選手たちには疲れるゲームです。ヤンキースの主力は打撃練習もお休み。
 陽光の下のMLB観戦は、「テイク・ミー・トゥー・ザ・ボールゲーム」が自然に鼻歌で出てくる幸せな気分になります。MLB観戦にいらっしゃる方には、1試合だけでもデー・ゲームをご覧になることをおすすめします。

 このゲームも、デトロイト打線がよく振れていました。2回にカルロス・ギーエン(マリナーズ時代、8番か9番を打っていたギーエン、デトロイトに移籍して今期絶好調で、デトロイトでは5番を打っています。現在、打率0.327、12本塁打、62打点で、オールスター戦にも監督推薦で出場します)の鋭い当たりをA・ロッドが好捕しながら、1塁に暴投したのをきっかけに3点を奪われてしまいました。

 しかし、2回裏、四球のバニー・ウィリアムスを1塁に置いて、7番に入った松井秀喜選手、2ボール後、打った瞬間にわかる16号2ランで「3-2」と追い上げ。松井選手、前半折り返し前で昨シーズンのホームラン数に並びました。

 ゲーム後の松井選手のコメント。
「バッター・ボックスに入ってからのアドレスがとてもいい感じで打てている」
 とのこと。来るボールに対して、メンタル面でも技術的な面でも、スムーズに対応できているとの答えでした。

 松井選手がホームランを打つ直前、デトロイトのキャッチャーがあわててタイムをとって(イバン・ロドリゲスが1回の打席のあと、審判に暴言を吐いて退場処分になってしまったものだから、急きょ代わった控えのキャッチャー、リードにナーバスになっていました)ピッチャーと攻め方を相談にいったのですが、そんなバッテリーのタイムなど、苦にもしない集中力でライトスタンドに打ち返した見事なホームランでした。

 松井選手、その後もセンター前に2本クリーン・ヒットで、4打数3安打2打点。
 しかし、ヤンキース、今季シーズン入りのころから心配されていた先発陣がこの日も打たれました。先発のハルゼーが5回にギーエンに3ランを打たれて5回3分の1で降板。6回にも3点を失い、「10―3」。
 7回にようやくヤンキース打線に火がつき、A・ロッドの3ランなどでヤンキースも追い上げましたが、「10―8」でデトロイトが連勝。

 まあ、最後は2点差まで追い上げたので、ヤンキース・ファンのイライラも少しは収まりましたが、ア・リーグ東地区で2位のボストン・レッドソックスに7ゲームの差をつけているとはいえ、今季のヤンキース、先発の駒不足は明かでしょう。プレーオフをにらんで、いずれまた先発投手の補強をすることになるのでしょうね。

 それにしても、NY入りして2試合目で松井選手とA・ロッドの本塁打をナマで見ることができたのは幸先いいですね。

 なにぶん、クラブハウスまで入ることのできる取材パスを出してもらってのMLB取材はぼくもはじめてのことですので、ヤンキース番の日本人記者諸君やアメリカのプレスにいろんなことを聞きながらの取材で(クラブハウスのなかではゲーム開始前と終了後、何十分は選手に個別に話を聞いてもいいとか、ルールやエチケットがあります)、どこまで話を直接、聞いてもいいのかわからない状態です。

 いちおう、松井選手には、今日からしばらく取材に入りますとごあいさつして。松井選手、評判どおりの律儀な人柄でした。初対面のプレスにまで気をつかってくださり、こちらが恐縮してしまいました。

 ヤンキースの球団バスの運転手のおじさんと話をしたら、「ヒデキはいいヤツだろ。あんないい男いないぜ。毎日、おれにも気をつかって声をかけてくれるんだ。あんな親切でコーチャス(律儀)なやつはいないよ」
 と、松井選手、球団スタッフからも愛されています。

 サッカーのゲームを30試合近く見たあと、連続して野球を見ると、野球というゲームがいかに予測と対応に成り立っているゲームなのかという違いに驚かされてしまいます。6日の眠いゲームでは頭がまだ「野球頭」に戻っていなかったので、慣れてくるまで時間がかかりました。

 観客であっても、サッカーではボールから目を離すということはありえません。サッカーの「一瞬になにが起きるか」というスリリングさは野球というゲームにはないものです。ボール・デッドの間に、次にどんな球を放ってくるかという予測と推理があって、それをこう打つだろうから、こう守ろうというところまで計算しながら見るのが野球かな。

 ゲーム数だって違いますから。年間160試合あるうちの1試合でしかないゲームと、4年に1回、あるいは1年に1回のサッカーのビッグ・トーナメントを同列で論ずるべきではないでしょう。
 野球には野球の楽しみ方があるので、ぼくも3試合目くらいからはそんな気分に戻ってくるでしょう。

 せっかくブロードウェーにいるのだから、昨日の夜は、マイケル・ムーア監督の話題のドキュメンタリー映画「フォーレンハイト9/11」のレート・ショーを見てきました。
 アメリカではこれから秋にかけて大統領選の季節になります。一昨日には民主党のケリー候補が副大統領候補にエドワーズ上院議員を選びました。「フォーレンハイト9/11」、この4年の世界を考えるうえでも興味深い映画です。日本でもそろそろ封切りになっているんじゃないかな。興味がある方は見てください。

 (7月8日 午後2時 マンハッタンの昼下がりの公園から) 石川とら

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