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【スポバカ】MLB2004オールスター前夜祭(7/12、ヒューストン)

ソリアーノととら

アルフォンソ・ソリアーノと。シャノン・ヒギンス撮影

 ヒューストン、予想していた通り蒸し暑い。町を5分ほど歩いただけで汗びっしょりです。朝10時で気温33度。午後になると40度近くになるので、この町では夏は室内ドームで野球するしかないのですね。

 昨日行われた「オールスター・フューチャーズ(日本のフレッシュ・オールスターにあたる3Aのオールスター戦)」の公式記録を見ると、「天候」の項目に「華氏78度(約25度)、ルーフ・クローズド」、「風力」には「インドアズ」と書かれています。つまり、気温35度、湿度60%くらいのところで、巨大なドームをエアコンで25度まで冷やして野球をやるという、実にテキジャン(テキサス的)な発想のベースボールであります。

 ヒューストン・アストロズのホーム・スタジアム「ミニッツ・メイド・パーク」はほぼ正方形の形をしたドーム球場。屋上は開閉式ですが、昼の間はエアコンを効かせないといけないので、天井は閉めっぱなしになります。ただし、レフト・センター間が巨大な(だいたい100メートル×20メートルくらいあるかな)ガラス窓になっていて、その窓から自然光が入ってくる不思議な構造のドームです。このガラス窓のところにカボチャを積んだ蒸気機関車が飾られているのですが、ホームランとかゲーム終了時には、大砲の音を合図に、この機関車が走り出します。これも発想がテキサスです。

 ホームラン・ダービーを見ながら、ここまで原稿を書いていたら、突然、天井が開き始めました。いまこちらは12日の夜9時。
 ドームの上に群青の星空が広がってきました。グラウンドの真上だけ、真四角に切りとられた夜空って不思議です。天井が開いたとたん、南国の濃密な湿り気と夜風が吹き込んできました。
 このドームも好きになりそうだな。明日のオールスター・ゲーム、雷雨の心配がなければ、5回裏くらいから天井を開けてもらえるかもしれません。暑くなっても晴れるといいなという気になりました。

 アストロ・ドームの後継スタジアムとして作られたドームですので、内部はとても合理的に設計されているのですが、観客席の緑のベンチ・シート、各階の観客席の傾斜、内野席のフェンスの低さなど、オールド・ファッションなボール・パークに仕上げてあります。

 前夜祭の「ホームラン・ダービー」の結果は以下のとおりです。
 ミゲール・テハーダの2回目、すごかった。自身の記録を塗り替える15本。地元選出のランス・バークマンも、彼はもともとスィッチヒッターですから長距離砲ではなかったはずなんだけど、場外に4本連発して満員のファンを湧かせました。

[ホームラン・ダービー1回戦」
バリー・ボンズ(ナ・サンフランシスコ・ジャイアンツ)8本
ハンク・ブラロック(ア・テキサス・レンジャーズ)3本
ランス・バークマン(ナ・ヒューストン・アストロズ)7本
ミゲール・テハーダ(ア・ボルチモア;オリオールズ)7本
ジム・トーメ(ナ・フィラデルフィア・フィリーズ)4本
デヴィッド・オルティス(ボストン。レッドソックス)3本
サミー・ソーサ(ナ・シカゴ・カブス)5本
ラファエル・パルメイロ(ア・ボルチモア・オリオールズ)9本

[ホームラン・ダービー2回戦]
バリー・ボンズ(ナ・サンフランシスコ・ジャイアンツ)3本
ランス・バークマン(ナ・ヒューストン。アストロズ)10本
ミゲール・テハーダ(ア・ボルチモア・オリオールズ)15本
ラファエル・パルメイロ(ア・ボルチモア・オリオールズ)5本
[ホームラン・ダービー・ファイナル]
ランス・バークマン(ナ・ヒューストン・アストロズ)4本
ミゲール・テハーダ(ア・ボルチモア・オリオールズ)5本

 さて、明日のオールスター戦の先発オーダーが以下のとおり発表されました。ナ・リーグの外野手部門でファン投票1位で選出されていたケン・グリフィーJRが故障で出られなくなりました。

アメリカン・リーグ
監督:ジョー・トーレ(NYヤンキース)
1番 センター   イチロー(シアトル・マリナーズ)
2番 キャッチャー イバン・ロドリゲス(デトロイト・タイガース)
3番 ライト    ウラジミール・ゲレロ(カリフォルニア・エンゼルス)
4番 レフト    マニー・ラミレス(ボストン・レッドソックス)
5番 三塁     アレックス・ロドリゲス(NYヤンキース)
6番 一塁   ジェイソン・ジアンビ(NYヤンキース)
7番 ショート   デレク・ジーター(NYヤンキース)
8番 二塁     アルフォンソ・ソリアーノ(テキサス・レンジャーズ)
9番 ピッチャー  マーク・マルダー(オークランド・アスレチックス)

ナショナル・リーグ
監督:ジョン・マッキオン(フロリダ・マリーンズ)
1番 ショート   エドガー・レンテリア(セントルイス・カージナルス)
2番 一塁     アルバート・プホルス(セントルイス・カージナルス)
3番 レフト    バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
4番 三塁     スコット・ローレン(セントルイス・カージナルス)
5番 ライト    サミー・ソーサ(シカゴ・カブス)
6番 キャッチャー マイク・ピアザ(NYメッツ)
7番 センター   ランス・バークマン(ヒューストン・アストロズ)
8番 二塁     ジェフ・ケント(ヒューストン・アストロズ)
9番 ピッチャー  ロジャー・クレメンス(ヒューストン・アストロズ)
 今年はナショナル・リーグでの開催ですので、DH制はありません。

 今日の午後、両リーグの選出選手を囲んでの記者会見が行われました。
 選手ひとりひとりがブースに入って、それぞれのブースを話を聞きたいメディアが取り囲んでインタビューが行われます。話には聞いていましたが、記者会見を大切にするアメリカらしい方式です。

 イチロー選手と松井秀樹選手の話をひとことずつ紹介しておきます。
 まずイチロー選手。連続4回目の出場について聞かれて、
 「これまでと違って、チームが最低(両リーグで最下位の勝率)の状態であるのに選出されたことに、自分自身、誇りを感じています。自分がずっとやってきたことをファンの方がそのように評価してくれているということですから」
 でも、やはりチームからひとり出場は寂しいのかな。グラウンドでは、去シーズンまでの同僚で初出場のカルロス・ギーエン(デトロイト・タイガース)を相手にしゃべりっぱなしでした。

 たぶん代打起用となる松井秀喜選手は(ジアンビ選手がホームラン・ダービーに出場しないことになり、トーレ監督から松井選手に出ないかとの打診があったのだそうですが)、
 「う~ん。ぼくが出たのでは、スーパースターに失礼になるといけないからね」
と、断ってしまったのだそうです。

 まあ、今回は500ホーマー以上を打ったスターが何人もそろったオールスターだからということで遠慮したんでしょうけど、前日、今季17号を放ち、アメリカのファンからも文句を言われる心配のない成績だったのですが…。
――今度、選ばれたら、断らないで出ますか?」
と聞いてみたら、
 「そうだね。そのときになったら考えてみるけど」
との返事でした。30本、40本といった大台をクリアしてからじゃないとねという、松井選手のプライドを感じました。

 ぼくの注目はファン投票で両リーグを通じて最多得票で選ばれたアルフォンソ・ソリアーノ。彼は野球ファンならご承知のとおり、ドミニカの広島東洋カープの野球アカデミー出身で、一度は広島でプレーした選手です。ドミニカ、日本、MLBと3つの野球を体験した現役プレーヤーということで、昨年12月に彼のドミニカの自宅でたっぷり話を聞きました。その時点ではNYヤンキースの選手だったのですが、2月にA・ロッド(ロドリゲス)との電撃的な交換トレードでテキサス・レンジャーズに移籍しました。

 昨年のプレーオフからWシリーズにかけて調子を下げてNYのファンの期待を裏切りはしましたが、2年連続で「30-30(30本塁打・30盗塁)」を記録している内野手は彼しかいないのです。彼自身は「ぼくはコンタクト・ヒッターだから40-40は狙わない」と言っていますが、次に「40-40」を記録するバッターがいるとしたら、しばらくはソリアーノしかいないだろうなというのがぼくの見方。

 半年ぶりに会ったソリアーノ、ますますたくましくなっていました。去年のオフもすごいトレーニングしていましたから、また腕回りは筋肉がついた感じがします。
 「ぼくを応援してくれた日本のファンの方にありがとうと伝えておいて。チームの名前とユニフォームが変わっただけで、ぼく自身は去年も今年も同じ気持ちでやっているんだよ。レンジャースをプレーオフに出場させるのが今年の最大の目標」
と笑顔で答えてくれました。

 今年はA・ロッドやマニー・ラミレス、プホルスら、アメリカで生まれた(あるいはアメリカ国籍を取得した)プレーヤーも含めると、ドミニカ系プレーヤーが両軍先発18人のうち6人もいます。ア・リーグ・コーチのトニー・ペーニャ(カンサスシティ・ロイヤルズ監督。彼ともドミニカで仲良くなっていたので、「どうしてここにいるんだよ?」と抱きしめられて大歓迎されました)によれば、監督推薦も含めると、12人がドミニカ系とのこと。ヒスパニック系選手の活躍は、まだまだ拡大傾向です。

 現在のMLBがいかに多国籍な才能社会なのか、それを楽しみながら見るのがオールスターということができるかもしれません。

 オールスターそのものの話題とは少し話がそれますが、明日のオールスター戦にブッシュ大統領が現れるかどうか。大統領選挙直前のオールスター戦の開催地がブッシュ・ファミリーのお膝元テキサスになったのは偶然ではなかったはずです。
 ホームラン・ダービーでブッシュ・シニアが来賓として紹介されて、満場の喝采を集めましたので、ブッシュ・ファミリーとしてはいい宣伝になったことでしょう。
 それでも熱烈な野球ファンとして知られるブッシュ大統領が、「テキサスでやるオールスターで、なぜオレが始球式をできないんだ」と、ホワイトハウスで駄々をこねているというジョークが、記者席で笑いを取っています。

 たぶんブッシュ・ジュニア、ヒューストンに飛んでくるのはあきらめるんでしょうね。エンロン破産以来(エンロンだって、ブッシュ・ファミリーに近いエネルギー・石油系企業のひとつだったわけですから)、全米でもっとも景気が悪い都市になってしまったヒューストンに遊びにやって来ては、メディアから猛烈な批判を浴びせられることになるのは必至でしょうから。

 昨日までピリピリしていたセキュリティー関係者も、今日は少しおだやかな感じで立っているだけです。球場内のコンコースで、軍から動員されてきた「ボム・ドッグ(爆弾捜査犬)」のラブラドルが2頭、所在無げにファンの子供に頭をなでられています。彼が活躍するような事態が起きないことを祈ります。

 (7月13日 午前7時 オールスター戦前のヒューストンから) 石川とら
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