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【スポバカ2004】Sports Vacance Deluxe 2004「Sportiva」3


連戦連敗「アテネ五輪オデュッセイ」

 ギリシャへはイスタンブールから陸路で入る。
 久しぶりの徒歩での越境。トルコ国境を出て、トランクをゴトゴト800メートルほど曳きずってギリシャ側に到着。

 しかし、パスポート・コントロールの警官とひと悶着。
「IOCのプレスパスを持っていないジャーナリストの入国は認められない」
「ツーリストなら入れてもらえるのか?」
「五輪のゲームを見るんだろう」
「見るさ。そのために来たんだ」
「チケットは?」
「アテネでピックアップする」
「チケットを持ってない観戦客は入国させるなというのが本部からの指令だ」
「チケットはそちらの組織委の作業の遅れで日本に送ってもらえなかった」
「チケットも持ってない、IOCのプレスパスもないじゃ、入国させない」
「観光国のギリシャが外国人ジャーナリストを国境で追い返したと書くことになるけど、それでもいいんだね」
「それは困る」
 署長以下6人の警官、ぼくの入国を認めるかどうかで緊急会議になった。

 五輪組織委のチケット販売部門に電話を入れさせ、コンピューターに名前が登録されていることを確認するのに2時間半。宿泊予定のホテルにも予約が入っているかどうか確かめてから、渋々入国のスタンプを押す。

「申し訳ない。テロ対策のためのセキュリティ・チェックで、不審な人物は入国させるなというお達しなのだ」
 と、窓口の若い警官だけが平謝り。
 どうせ、不審なプレスであります。
 だからいやなのだ、ナショナル・イベントってやつは。

[8月12日]
「パラグアイ-日本」戦。
 ディフェンスのミスでゲーム序盤に失点。左サイドの連携を衝かれて、前半で3失点。
 パラグアイ、キックオフ直後から運動量で日本を圧倒した。後半は予定通りでフォワードを1枚下げて4バックで守りを固められては追いつけない。
 日本、何度も悪い芝にスリップを繰り返す。4失点目もマークにいった阿部が転んだ結果。スパイクがピッチに合ってなかったのは明らか。前日練習でスタジアムのチェックもしなかったとのこと。オイオイ、「山本ジャパン」なにをしとるんじゃ。

[8月15日]
「日本-イタリア」戦。日本協会幹部と並んで観戦することに。
 欧州予選でベラルーシがイタリアに完勝した話をするも、初耳とのこと。「4バックス+1リベロ」でイタリアの大砲ジラルディーノを封じたベラルーシの話など、話しても意味がなかった。
 ゲーム開始2分でデ・ロッシにバイシクル・シュートを決められる。
 ジラルディーノに気を取られて、2列目のデ・ロッシをノーマークにしてしまうミス。ペナルティ・エリアでバイシクルをノーマークで決められるなんて。山本ジャパン、開始早々パニック。
 先発を見れば、「4-4-2」のフォーメーションだったはずなのだが、「3-5-2」でスタート。右サイド徳永の裏を取られてクロス一発で失点。
 ディフェンスが動揺している間に、今度は中央をスルー。ジラルディーノにスルリッとかわされて2失点目。
 2試合続けて序盤で2失点。そのうえ前半37分前後に3点目という最悪のゲーム展開。これでは勝てません。2戦で敗退決定。まあ予想の範囲内だけどね。

[8月17日]
 柔道、北島康介、体操男子と、各会場の記者諸君からは連日、景気のいいメダル奪取の電話が入ってくるのだが、ひとり蚊帳の外で連敗中である。
 松坂大輔登板の「キューバ-日本」戦。
 松坂、敢投。和田、城島、中村の本塁打で「4-0」とリード。完勝のゲームだが、ベンチの策がねえ?
 城島、中村の連続本塁打のあと、続く谷もレフト前ヒットでノーアウト1塁。ここで小笠原にまた「バント」のサイン。上下に2枚クリーンアップを並べた破壊力打線がこれでは威力もなにもなし。ランナーが出たらバントだからね。夏の甲子園じゃないんだよなあ。これじゃあ、打線が上向くはずもない。

[8月18日]
 パトラスにイラク・チームを訪ねる。
 イラク協会のフセイン・サイード会長と会うのは3か月ぶり。イラクへのスポーツ分野での民間支援策について意見交換のつづき。イラクは2戦2勝で決勝トーナメント進出を決め、フセイン・サイードも上機嫌。歓待される。
「アジア勢3チームが勝ち残って、アジアのレベルが上がったことを世界に見せる大会にしないといけなかったのだ」
 と、フセイン・サイード、日本の1次リーグ敗退を残念がる。
 イラク、モロッコ戦は消化ゲーム。主力の疲労回復のためにBチームで戦うという余裕。
 うらやましい。18人編成の短期決戦のトーナメントでは、最初の2戦の叩き合いで勝ち点「4」を勝ち取るゲームができなければダメということだ。
 モロッコに「1-2」で逆転負け。それでもグループ1位抜け。決勝トーナメントの対戦相手、オーストラリアの情報収集を頼まれる。

[8月20日]
 フェリーでクレタ島へ。
 アテネ五輪観戦といいながら、いかにアテネを遠く迂回して五輪を見るかという変な旅になった。まさかクレタにまで漂うことになるとは。
 イラク選手団は、アメリカと並んで、セキュリティ対策の最重点対象。チームは、試合会場のイラクリオから40キロほど離れたホテルに隔離されている。

 レンタバイク屋でスクーターを借りて出かける。エメラルド・グリーンのクレタの海を見ながら、海岸道路を80キロでぶっ飛ばす。こういう旅もいい。
 途中、検問で4回、止められた。
「イラク・チームを訪ねる」
「IOCのパスを見せろ」
「そんなものはない」
「じゃあ、ここから先はダメだ」

 IOCのイラク担当スタッフを電話でつかまえ、チーム宿舎の警官に掛け合ってもらい、検問を抜ける。
 フセイン・サイード、アドナン監督と、高さで勝負してくるオーストラリアのカウンター戦術への対抗策を相談。
 オーストラリア戦、渡しておいたレポートどおりの展開になった。イラク、押されに押されたゲームも、オーストラリアのヘッディング・シュートが2度、ゴールポストを叩く幸運に救われる。
 イラク、後半19分、エマド・モハメッドが決めたバイシクル・シュートによる1点を守りきり、辛勝。メダル獲得の可能性も出てきた。フセイン・サイードと抱き合って喜ぶ。

[8月22日]
 野口みずきをとるか、室伏広治にするか。迷った末、ハンマー投げの決勝を見ながら、会場の大画面で女子マラソンを見ることにする。

 マラソンのスタートを宿のテレビで見てから出かけたのだが、地下鉄駅に向かう道路、どの道路もマラソンコースで封鎖されて身動きが取れず。
 気温37度。アクロポリス下の坂道を2キロ、ゼーゼーヒーヒー汗ダラダラで迂回して地下鉄駅にたどりつく。

「この猛暑でマラソンなんて、選手が壊れたら、だれが責任を取るんだ」
 競技場に着いてみれば、チケットはすべてソールドアウト。
 チケットがないんじゃない。入場口に何十人と群がるダフ屋から買うなら、2倍、3倍の料金をふっかけられるけど、チケットはいくらでもある。ダフ屋からチケットを買おうにも、競技場の周囲にATMが1台もないのだ。競技場の中に入らなければ、水のボトルさえ買うこともできないというお粗末さ。

 振り出しに戻って路上観戦に変更。
 ゴール地点で地下鉄を降り、コースまでひた走る。マラソンファンだというギリシャのボランティアの小父さんがこっちだ、こっちだと案内してくれた。この小父さん、「いまは日本人がトップだ」「あと5分でこのあたりに来る」と、携帯電話で自宅に電話しては、実況してくれる。ありがたかった。

 道路は人垣でなにも見えない。道路脇に投げ出されていた工事用の柵で即席の観戦台を作り、よっこらしょと、上がったところへ野口みずきが駆けてきた。
 野口のピッチ、まだ力強い。跳ねるように目の前を駆けていった。ヌデレバも追ってきたが、あの差なら大丈夫。
 この日の観戦、野口2秒、土佐2秒、坂本2・5秒の計6・5秒。

[8月23日]
 ユースホステルに同宿の日本の応援団諸君から、一度くらい「日の丸」とメダルを見にいきましょうよと同情され、女子レスリングに誘われる。
 わずか2時間で金2、銀1、銅1。
「メダルってのは簡単に取れるもんだね」
 とつぶやいて、隣席の応援団から顰蹙を買う。

[8月24日]
 テッサロニキへ移動の車中に、「ナガシマ・ジャパン」オーストラリアに苦戦中との急報。電話で中継してもらったら、声援、途切れがちになり、…無言。
 また負けであります。

 パラグアイ、イラクよりも一枚上のチームでした。日本戦のときよりもチームに馴染んだカルドソにたてづづけにやられて「3-1」で完敗。南米勢、強い。レベルが違います。決勝はアルゼンチンの優勝で決まりでしょう。
 イラク、3位決定戦も日本が対戦したイタリアとの争いになり、イタリア戦も協力することに。

[8月26日]
 野球3位決定戦を見たあと、トンボ帰りでテッサロニキへ。イタリアの資料を抱えて、イラクのチーム宿舎に寄る。
 イラク、イタリア両チーム、警備対策のためか同じホテルに同宿。

 ロビーにイタリアのプレスが詰めかけている。聞けば、イラクで武装集団に人質となっているイタリア人記者を暗殺するとの予告があった由。
 フセイン・サイードも不在。人質解放交渉のため、急遽、帰国したとのこと。
 アドナン監督に「日本-イタリア」戦と「イタリア-ベラルーシ」戦のレポートを渡してジラルディーノ対策を検討。「4バックス+1ボランチ」でジラルディーノにできれば2マン・マークというのがぼくの案。
 アドナン監督、ウ~ンと首を捻りながらも、「3バックはやめて4バックで守る」との結論に。

[8月27日]
 CNNのニュースでイタリア人記者が殺されたことを知る。どうする?「イラク-イタリア」戦なんかできるのか?

 FIFAのブラッター会長がテッサロニキ入りして、善後策を協議中とのこと。

 ゲームは予定どおり行われた。イタリアはチーム全員が黒の喪章を腕に巻いて登場。イラクもアブドゥル・ワハブ主将が追悼の花輪を手に現れ、記念撮影も一緒になって撮影する異例の形に。

 イラク・チーム、昨日までの覇気が感じられない。ラインがずるずる下がりっぱなしとなり、受け身のゲームに。
 前半7分、ペナルティ内で拾ったボールを確実にクリアしておけばいいのに、ピルロに奪われ、計ったような正確なクロスを入れられて、ジラルディーノが頭で合わせて1失点。
 後半、イラクも気を取り直して攻勢に出たが、「1-0」の負け。
 イラク、メダルのチャンスを政治的なテロ事件のために奪われてしまった。
 見事に連戦連敗。アテネの戦いはこうして終わった。

2004/09/26執筆 「Sportiva」2004年12月号用 石川とら

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