「SCインテルナシオナル 1-0 FCバルセロナ」(前半:0-0)【得点】SCインテルナシオナル:82分 アドリアーノ

【先発】
SCインテルナシオナル(ブラジル)「4-4-2」
【GK】1 クレメル
【DF】2 セアラー、3 インジオ、4 ファビアーノ・エレル、15 ルベンス・カルドゾ
【MF】5 ウェリントン・モンテイロ、7 アレックス→(46分 17 ファビアン・バルガス)、、8 エジーニョ、9 フェルナンドン(C)→(76分 16 アドリアーノ)
【FW】、10 イアルレイ、11 アレシャンドレ・パト→(61分 18 ルイス・アドリアーノ)
FCバルセロナ(スペイン)「4-3-3」
【GK】1 ビクトル・バルデス
【DF】4 ラファエル・マルケス、5 カルレス・プジョル(C)、11 ジャンルカ・ザンブロッタ→(46分 2 ベレッチ)、12 ジョバンニ・ファンブロンクホルスト
【MF】3 モッタ→(59分 6 シャビ)、20 デコ、24 イニエスタ
【FW】7 エイドゥル・グジョンセン→(88分 18 エスケーロ)、8 リュドヴィク・ジュリ、10 ロナウジーニョ
【主審】カルロス・バトレス(グアテマラ)
【ボールキープ率】SCインテルナシオナル:42% FCバルセロナ:58%
【シュート数】SCインテルナシオナル:10(内枠内シュート2) FCバルセロナ:17(枠内 6)
【観客】67,128人
「バルセロナに少し分があるかな」などと書いちゃうと、こういうことになる。少々、反省。
インテルナシオナルの厳しい守りの前に攻めきれなかった。
バルサの前半のボールキープ率が61%。シュート数11本(内枠内4本)だから、バルサが試合の主導権は握っていたのだけど、ラスト・パス(その手前のパス出しのときかな)パスの出し所がなくなったり、パスを受ける側が走り込めない。だから、インテルナシオナルの最終ラインを動揺させるところまでいかなかった。
準決勝のクラブ・アメリカ戦に比べると、攻撃陣の運動量が少なかったね。
前の動きが悪いときには、前半は後ろからザンブロッタ(前半終了間際に肉離れか?)が攻撃参加したりしたけど、前3人(ロナウジーニョ、グジョンセン、ジュリ)が釘付けにされてはバルサの持ち味は発揮できなかった。
インテルナシオナルのブラガ監督に、どういう守備の指示をしたのか、聞いてみた。
「ロナウジーニョ(2 セアラー)とジュリ(15 カルドソ)にマンツーマンでマークさせた。それ以外はゾーン・ディフェンスで対応させた。とにかくバルセロナにスペースを与えないよう気をつけさせた」
そのとおりで、ロナウジーニョが自陣に入ってきたときのセアラーのマーク、厳しかったね。さすがのロナウジーニョがほとんど前向きでプレーできなかった。
それなら、ロナウジーニョも左サイドばかりで張らないで、もう少し、中央や右サイドにシフトすればと思うのだけど、中央に動くと、セアラーがそのまま貼り付いてマークしてくる。
グジョンセンがインジオを振り切る動きができるといいのだけど、グジョンセンはロナウジーニョの小技に期待していたのか、ロナウジーニョに近い側でインジオに押さえられていた。(位置関係でいうとこんな感じ)
カルドソ15×8 ジュリ
エレル 4 アレックス7 エジーニョ8 インジオ 3×7 グジョンセン
モンティロ 5 セアラー2×10 ロナウジーニョ
後半になって、モッタがイエローをもらったために、モッタをシャビに代えてから、シャビ、デコの突破で、後半にもチャンスは生まれたけど、エトオの不在というのが大きいね。
――現在のチームが悪いというのではないが、昨年のいちばんいい時期の攻撃のポテンシャルを2シーズン維持するというのはむずかしかったか?
と、ライカールト監督に質問したら、
「ただ1試合の結果で、評価したら選手たちに酷だ。今晩は意図したように機能しなかっただけだ。選手たちに責任があるわけではなく、反省すべき点は監督にある」
との答え。
ライカールト監督自身が自分の采配に反省すべきところがあるというのはどこだろう?
しいてあげるなら、クラブ・アメリカ戦の大勝で、前5人で1点は奪えると考えていた油断だろうか。
ザンブロッタの交代は負傷によるもので仕方がないとしても、後半開始時にモッタをシャビに代えて、より攻撃的にいくという選択はあったように思う。
インテルナシオナルの側から言えば、守りに守って、一発カウンターで「1-0」でという狙いどおりの試合だった。
「バルセロナに攻め込まれた状態だと、自陣にバルセロナのプレーヤーが5人入り込んでいるので、ボールを奪ったら、2つか3つのショートパスをつないでカウンターを仕掛ける。1人、抜けば、あとは最終ラインしかない。それを狙って、後半の交代3人を選んだ」
というのがブラガ監督の交代についての説明。
決勝のゴールは短くつないでではなく、たしか2 セアラー(だったかな?)のロングロブを、18 ルイス・アドリアーノがヘッドで競り勝って後ろにそらし、10 イアルレイがドリブルで抜けて、最後、16 アドリアーノがノーマークでシュートを決めたもの。
ルイス・アドリアーノ、アドリアーノとも後半、交代で入った選手。
ルイス・アドリアーノは準決勝でも決勝ゴールを決めたラッキー・ボーイ。敗れたバルセロナのデコが大会MVP(アディダス・ゴールデン・ボール)を授賞してトヨタ車をもらったらしいが、ルイス・アドリアーノにもタイヤかステアリングをあげてもいいように思う。
インテルナシオナルのブラガ監督、最近のバルサの3試合(チェルシー戦、ブレーメン戦、レアル戦)をビデオで研究して、ディフェンス対策をじっくり検討したのだそうだ。インテルナシオナルの完璧な守り勝ちのゲームだった。
ミックスゾーンで、ロナウジーニョに一言だけ、話を聞くことができた。
――シアラーのマークはそれほど厳しかったかい?
「完全に守られたね。やられた。ぼくたちは気持ちを切り替えて、今季のチャンビオンズリーグを連覇することに賭ける。またチャンピオンになって、来年もこの大会にやって来るつもりだ」
ロナウジーニョ、落胆した顔ではなかった。負けは負けと認めて「また来るよ」とサバサバした表情で引き上げていった。
2006年12月18日 石川とら
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なんですか、体調がお悪いとか。しっかり直してくださいませ。