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キリンチャレンジカップ2008 ボスニア戦戦評


ごぶさたしています。
完調というわけにはいかないけど、まあ元気を取り戻しつつというところです。
今日もメールをいただいたり、質問の電話をもらったりなので、ひさしぶりにブログに書いておきます。取材にもぼちぼち出かけていますよ。

ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でオシムさんが国立にいらっしゃった。
カメラマンのRさんとふたりで(Rさんも2年前に軽い脳梗塞をわずらい、いまは現場復帰している)「脳卒中クラブのメンバーとしては特別な思いがありますね」と軽口をたたきながら、オシムさんが息子さんに支えられるようにして車を降りてスタジアムに入っていくのを見ました。車椅子でいらっしゃるのかなと勝手に想像していたので、回復の早さに驚きました。ただ、循環器系・脳卒中系の病気では、ストレスをかけないことが大事なので、代表監督というような重圧のかかる仕事は引き受けることはできないでしょう。
2か月半であそこまで回復したのですから、今後のリハビリに強い意志で立ち向かえば、監督として復帰するかどうかはともかく、サッカー指導者として復帰することは可能だと思います。
「がんばれば、復帰できるんだ」というのは、同じような病気で悩んでいる人に勇気を与えてくれます。オシムさんのより一層の回復をお祈りします。

試合後、岡田監督にオシムさんが観戦に来たことについて、いらないプレッシャーを感じたりはしなかったかと聞きましたが、「いっさいこだわりはありません」との気持ちのいいこたえでした。

ボスニア戦の岡田采配について書いておきます。注目したこと3点。

1.高原、巻、大久保の3人のFWの先発起用。
2月6日のディフェンシブに来るであろうタイとの試合を想定して、3人のFWでがむしゃらに先制点を取り、FW陣に戦術面での自信を取り戻させようとしたのではなかったか。
「タイ戦を想定しての3人起用か?」と監督に質問したら、「本番では3人の同時起用でいくかどうかは決めていません」と答えていますし、巻の故障で入った山瀬が2ゴール1アシストだから、トップ下は山瀬ということになるんじゃないかな。

2.後半今野のボランチ起用。
「今野にどんな指示を出したのか?」会見でだれかに監督に質問してもらいたかったのだけど(ぼくはほかの質問を2つもしてしまったから、もう手を上げることができなかった)、今野泰幸の起用の仕方にいちばん岡田監督らしさを感じました。

68分にCKから中澤のゴールで「1-0」の状態で、あと1点欲しい、またディフェンスは相手に1点もやらないというなかでどういう交代の選択があるのか。
後半、全体に足が止まったボスニア側はトップに長身の選手を入れてきて、チャンスがあればクロスやロブ・ボールでパワーゲームをしかけてくる可能性が強かった。
タイ戦に備えてのテストという点でも、内田に代えて加地、阿部に代えて岩政や水本という交代があるのではないかと予想したのだが、内田、中澤、阿部、駒野のディフェンス4人は変らずでした。選手個々人の調子もあるのでしょう。現状では、この4人のセットが岡田監督のなかでいちばん優先順位が高いということだと思います。

今野(78分に中村憲剛と交代)、ピッチに入ると同時に右に左に後ろに前にと走りまわりました。鈴木啓太のワンアンカー・ボランチという形を今野が入ることで2ボランチとするのかなと想像していたら、啓太のワンアンカーは変らない。「遊軍ボランチ」とでも呼んだらいいのかなあ。「走り回って相手ボールを奪え。相手MFに圧力をかけてボールのおさまりを悪くさせろ」とでもいうような指示が出ていたんじゃないかな(ミックスゾーンで今野から直接、話を聞こうと思ったら、監督会見のあいだに引き上げてしまっていた)。
実際、あとの2得点は今野がボールを奪ってチャンスが生まれたものだった。
通常、ゲーム終盤、リードしている状態でのMFやDFの交代は、守備のより一層の確実性を考えて選択されるのが普通だが、今野はたんに守備的にではなく、「防御は最大の攻撃」とでもいうような意図で投入されたように思う。ゲーム展開にもよるが、鈴木啓太がワンアンカー・ボランチとして安定したプレーを続けているのを考えると、今野がゲーム後半に投入されて、啓太の周りを遊星のように走り回ってチャンスを作り出す「岡田ジャパンのスーパー・サブ」として機能する可能性もありかなと考えたりする。

3.内田、山瀬の起用
右サイドの内田、2戦連続先発起用。この試合では90分プレー。この試合では、ノーマークでもらってシュートを狙うかというチャンスを逃しはしましたが、前後半通じて、FWへの効果的なくさびなど、U20からA代表への「跳び級」組とは思えない活躍を見せています。

野球の三原脩監督の名言に「花は咲くとき、咲かせどき」というのがあります。ぼくはこの言葉を仰木彬さんと中西太さんから教わったのですが、「スターになるやつ、いい選手になるというのは、どこかでスポーンと伸びるときがあるのよ。こいつは咲くなあというときにそれを咲かせるのが監督やコーチの仕事」というような話でした。

プロ・スポーツにおいては、「あいつは若いからまだ早すぎる」というのは指導者サイドの思い込みでしかないときがあります。若い選手が抜擢されることで、チーム内に競争が起こり、チーム自体が活性化される。また代表入りを狙うほかの若手にも希望を与える存在になる。
岡田監督は、98年大会でも18歳の市川大祐を最後まで代表候補に残しましたが、新戦力の抜擢効果をよく承知している監督です。

篤人は昨年のU-20ワールドカップ、鹿島のJ逆転優勝、天皇杯制覇と、まさに伸び盛りのプレーヤーです。ミックスゾーンで話を聞いていても、カナダで見ていたときはまだ高校生のような少年だったのが、半年で体も心も大きく成長したなあと感じます。初めて起用されて、そのチャンスを生かして代表に定着したのだとしたら、その天分を称えるべきでしょう。オリンピック代表との兼合いもありますが、今後、加地との競争が楽しみです。

山瀬の場合は、岡田監督自身、「巻の負傷でなんの迷いもなく、大久保をトップに上げて山瀬を入れた」と答えています。山瀬の得点にからむ独特の感覚への信頼がますます強くなるのではないかな。山瀬もこのゲームで一発のチャンスをモノにしたといっていいでしょう。
以上、試合が終わって、ずいぶんたってからのアップですが、お許しください。

2月5日 石川とら
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