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2006ワールドカップ・ドイツ大会総括レポート 3

■決勝トーナメント総括
ベスト16戦、準々決勝は、見応えのある好カードがそろった。
ブラジルと、アルゼンチンの南米勢が、ともに準々決勝で敗退したのは1982年のスペイン大会以来24年ぶり。ベスト4はヨーロッパ勢に占められ、準決勝以後は「ヨーロッパ・カップ」の趣を呈した。

前回王者のブラジルは、グループリーグと決勝トーナメント合わせて5試合を戦ったが、結局、一度もチーム・コンディションをベストにもっていくことができず、パレイラ監督が守りのゲームを志向したため、フランスにフリーキックから先制されて、追いつくことができなかった。

戦力的には、アルゼンチン、イングランドも「ベスト4」に残っていてもおかしくないチームだったが、アルゼンチンのペケルマン、イングランドのエリクソン両監督とも、失点を恐れて、チームの持ち味である攻撃的なサッカーよりも、守備的なフォーメーションを選択。その結果、決勝点を挙げることができず、PK戦で敗退した。

大会前、日本との直前プレマッチで「2-2」とディフェンスの弱点を露呈していたドイツは、グループリーグの勢いをそのまま決勝トーナメントにつなぎ、準決勝では、試合巧者イタリアに敗れたが、ドイツ・サポーターの声援に後押しされて3位に。大会がはじまってから若手のプレーヤーが急成長した。

ファイナルまで勝ち残ったイタリアは、ベスト16戦ではオーストラリアにあわやというところまで追い込まれたが、オーストラリア、ウクライナという格下との相手が続いたクジ運のよさにも恵まれて、チーム状態を立て直した。
ドイツ戦での延長戦になってからの圧勝は、イタリア・サッカーの勝負強さを見せつけた。

フランスは、「ジダンの最終戦」をチームの合い言葉に、守りで1戦1戦を勝ち上がってきた。ジダン自身にとっても「有終の美」を飾るはずだった決勝戦で、暴力行為でレッドカード退場になってしまったのは不可解。ジダン退場のショックがPK戦にも影響したし、多くの観客を興ざめさせることになった。

開催国ドイツの躍進はあったものの、王者ブラジルの敗退で、準決勝以後は、大会の主役はジダンとなった。そのジダンが決勝戦で自爆してしまったため、大会の主役が存在しないというはなはだ不明瞭なワールドカップになってしまった。

ロナウジーニョ、ロッベン、イブラヒモビッチ、メッシら、今大会での活躍を期待された若手プレーヤーを抱えたチームがベスト4に残れなかったことが、ドイツ大会でニューヒーローが生まれなかった原因。

ゲーム内容も、「勝ちにいくサッカー」よりも「負けないサッカー」、守備的なサッカーが多かった。4年間で、少なくとも、ナショナルチーム・レベルではワールド・サッカーは停滞していたことを印象づける、その意味では残念なワールドカップだった。

【ベスト16戦】
○ドイツ 2-0 スウェーデン×
ドイツが序盤で2ゴールを挙げ、スウェーデンのレッドカード退場で、ドイツが圧勝。

○アルゼンチン2-1 メキシコ×
メキシコ先制も、すぐ追いつかれ、「1-1」のまま延長戦に。延長前半、アルゼンチン、ロドリゲスの見事なボレーシュードで突き放して辛勝。

○イングランド 1-0 エクアドル×
エクアドル善戦。イングランド、後半、ベッカムのFKで挙げた1点を守り切る。

○ポルトガル 1-0 オランダ×
ポルトガル、前半にマニシェが挙げた1点を守りきる。両チームにレッドカード4枚、イエローカード16枚が乱れ飛ぶ、レフェリーが制御できない神経戦に。

○イタリア 1-0 オーストラリア×
イタリア、後半早々にディフェンダーのマテラッツィがレッドカード退場し、10人に。フォワードを下げて、守りのゲームに。オーストラリアも攻めきることができず、延長戦突入かと思われたロスタイムに、オーストラリア、痛恨のPKを与える。イタリア辛勝。

×スイス 0-0 ウクライナ○ PK戦 0-3
双方、チャンスをゴールバーに嫌われ、120分を「0-0」のまま。PK戦で、スイスが3人続けて失敗。ウクライナ、初出場でベスト8進出。

○ブラジル 3-0 ガーナ×
ブラジルが前半2点を先行。中盤のボール争いでは、前後半ともに、ガーナに完全に主導権を握られたが、ゲーム運びのうまさで勝利。

×スペイン 1-3 フランス○
前半、スペインがPKで先制も、フランスが前半終了間際に追いつき、後半、フランスがジダンのFKからスペイン・ディフェンスのクリアミスを衝いて逆転。最後はジダンがダメ押し。若手主体のスペイン、グループリーグを楽々通過したが、フランスのベテラン勢の試合運びのうまさに敗れる。

【準々決勝】
○ドイツ 1-1 アルゼンチン× PK戦 4-2
後半序盤にアルゼンチンがコーナーキックから先制。アルゼンチンが守りに入って、ゲームメーカーのリケルメも下げた直後、ドイツの交代陣の活躍で、ドイツが同点に追いつく。延長戦はドイツ優勢ながら、両者、決定機にゴールを決めることができず、PK戦に。サポーターの声援に押されたドイツがPK戦を制してベスト4に。

○イタリア 3-0 ウクライナ×
前半序盤に得点したイタリア、理想的な展開で、後半トニが2ゴールを挙げ、調子を上げてベスト4に進出。

×イングランド 0-0 ポルトガル○ PK戦 1-3
デコとコスティーニャをレッドカード欠場で欠き、守備的なポルトガルに対して、イングランドのエリクソン監督、「4-1-4-1」の守備的布陣で対応。中盤での主導権争いが膠着したまま後半に。後半、ルーニーがレッドカード退場、ベッカムも負傷交代で、イングランド防戦に。延長戦でも決着つかず、PK戦に。イングランド、PK戦でポルトガルのGKリカルドに3本を止められ、敗退。

×ブラジル 0-1 フランス○
ガーナ戦で中盤での争いに敗れて苦戦したブラジル、アドリアーノを外してミッドフィルダーを増やした守備的な布陣で臨んだが、フランスのマケレレ、ヴィエラ、ジダンの中盤とテュラム、ギャラスの堅実な守備のまえに、攻撃を組み立てられず。後半、フランス、ジダンのフリーキックにアンリが合わせて先制。その1点を完璧な守備で守りきった。ブラジル、準々決勝で敗退し、南米勢、ベスト4に残れず。

【準決勝】
×ドイツ 0-2 イタリア○
イタリアが前後半とも主導権を奪ったが、双方、得点を挙げることができず、延長戦に。延長戦突入と同時に、攻撃陣を交代させたイタリア、延長後半に2ゴールを決め、開催国ドイツの悲願の決勝進出を阻む。

×ポルトガル 1-0 フランス○
前半、ジダンがPKで1点を先制。ポルトガルの執拗な攻撃をフランスの守備陣が守りきったゲーム。

【3位決定戦】
○ドイツ 3-1 ポルトガル×
前半「0-0」のまま、後半に入り、ドイツ期待の新鋭MFシュバインシュタイガーがドリブルカットインから強烈なミドルシュートで先制。シュバインシュタイガーが大当たりのゲーム。2点目はシュバインシュタイガーの絶妙なフリーキックをポルトガル守備陣がクリアミスしてオウンゴール。3点目はシュバインシュタイガーがまたもミドルシュートを決めたもの。終盤、ポルトガルも1点を返したが、開催国ドイツが快勝して、ファンの期待に応えたゲーム。

【優勝戦】
○イタリア 1-1 フランス PK戦 5-3
前半、フランスがジダンのPKで先制。イタリアもコーナーキックからマテラッツィがヘッドを決めて同点に。「1-1」のまま延長戦に。延長後半にこの試合で現役引退を発表していたジダンが、マテラッツィに暴力行為でレッドカード退場に。120分でも決着がつかず、PK戦となり、PKをすべて決めたイタリアが4度目の優勝。

7月13日 ピッツバーグより。
携帯imidas 2006W杯レポート 30 石川保昌
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