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【スポバカ Deluxe 2008】第4回 日本、第3戦は完敗も、準決勝へ。

ツーロン国際ユース第9戦 グループA「チリ-日本」戦
20080524チリ日本戦PICT0004

5月24日 18:30 スタッド・ミュラ(ソリエスポン)

○チリ 2-0 日本×(前半0-0)

【得点】チリ: カルモナ(75分)、モラレス(89分)

【チリ】 「3-3-3-1」
GK: 1 トセリ
DF: 2 アバルカ、3 マルチネス→18 ハラ(46分)、5 カロカ、13 レボレド
MF: 6 カルモナ、8 メネセス→7 フエンザリダ(46分)、9 サグレド→10 モラレス(46分)、15 ビジャノエバ、
FW: 11 ロルカ、16 バルガス

【日本】「4-4-2」
GK: 18 山本
DF: 3 青山直、4 水本、9 森重、12 田中
MF: 2 細貝、7 水野→13 谷口(78分)、8 本田圭、15 上田→10 梶山(69分)
FW: 20 李→22 森本(76分)、23 エスクデロ

レフェリー: エイディヌス(トルコ)

20080524チリ日本戦


チリの得点力のポテンシャルの高さに脱帽といったゲームでした。完敗です。
これだけのレベルのチームであって、五輪南米予選を勝ち抜けなかった不思議。北京にやってくるのはブラジルとアルゼンチンですから。南米枠2枠となると、それだけ厳しい予選だったということでしょう。

チリの監督、どこで会ったんだっけと思っていたら、元アルゼンチン・フル代表監督のマルセロ・ビエルサでした。何度か会見で話を聞いたはずですが、トレーニングウエア姿でわからなかった。そうか。チリで下の年代の監督をやっていたんですね。

今回の大会では、各国の監督、コーチのなかに懐かしい顔が何人もいます。
準決勝で日本と対戦するイタリアは、監督がカシラギ、コーチにはゾラが入っています。
トルコの監督は、2002年の日韓W杯で日本が仙台で敗れた試合で、ヘディング・ゴールを決めたウミト・ダバラ。2002年のときはモヒカン刈りでしたね。
「ヒザを痛めて早めに引退せざるをえなかったんだ(まだ32歳とか)」そうです。
トレーニングウエアを着ると、選手と間違いそうになる青年監督です。
日本も井原正巳コーチがスカウティング用のビデオ撮りなどもやっていて、かつての名選手たちがコーチ、監督と成長しつつあるのを感じます。

さて、チリ戦に戻ります。
初戦の対フランス戦で、「3-1」の劣勢から4ゴールを挙げて、「3-5」で逆転したチリ。
今回の8チームのなかで、得点力ではナンバー・ワンだと思います。

その攻撃の特徴。
基本フォーメーションは、「3-3-3-1」ですが、相手ボールになれば、サイドMFが最終列に下がり、「4-2-3-1」に変わり、マイボールになった途端、カウンターをしかける。
また、トップ下の3人は、位置を固定せず、自在にポジション・チェンジする。
ボール・コントロールの確実さ、トップ・スピードのドリブルなど、南米らしいチームです。
ゲームの中盤過ぎから、突然、攻撃のテンポを上げることができる。
日本とのゲームでも、前半30分までは、日本もほぼイーブンで戦えましたが、25分過ぎからチリ・チーム、攻守ともにスロットルをフル回転まで上げ、トップから日本ボールにプレッシャーをかけます。このため、日本の本田圭、水野の両サイドが守備に専念せざるをえなくなり、位置的にも押し込まれたため、チリの波状攻撃を受けることになった。

チリはこの大会で優勝するつもりで来ています。
後半開始時に3人を同時に交代。勝ちにきたという感じの交代でした。
フォーメーションも「3-1-3-3」に変わります。
後半から入った10 モラレスがゲームメイク。1列目の左右と2列目の左右が前後にシフトやオーバーラップを繰り返しながら、日本DFを左右からくずします。ときには2列目から飛び出した10モラレスに、6 カルモナや16 バルガスからスルーが入ってそのままシュートと、変幻自在のポジション・チェンジに日本のDFが翻弄されてしまった。

日本チーム、身体を張って必死で守りましたが、たとえば、チリのカルモナの先取点は、3本続けて打たれた強烈なシュートの3本目です。まず、左サイドからミドルを打たれ、次にクリアボールを正面から打たれ、DFが身体で止めたボールがはね返ってきたところをカルモナがボレーで強烈なミドル。彼我の差を感じさせる強烈なゴールでした。

20080524チリの攻撃フォーメーション

「現在のチームがどの位置にあるのか、現在地を見るにはいい資料になる試合だった。今回は、選手の選考も兼ねているので、(勝ち負けは別にして)参考になった。」と、反町監督は試合後に語っています。
ロスタイムに加点されて「2-0」で終わりましたが、日本の選手たちは、得点差以上に、力の差にショックを受けたと思います。

ただ、チリチは今回の18人のメンバーのうち、A代表経験のある選手が8人を占めているし、コロコロを中心に(コロコロの選手が6人)、チリ国内のクラブのメンバーで編成されています。日本に比べると、熟成度が高いチームです。

日本だって、チリのような強豪に対して、エスクデロのドリブルが十分、機能することが確かめられたし、また、水野の右からの突破も、何度かチャンスを作り出したことなど、日本の能力もいくつか確認できたと思います。

ただ、北京に臨む日本チームに、このトーナメントを終えてからあと1回か2回の合宿で、チリ並みの熟成度を求めることができるのかどうか。

将来的な日本のレベルの向上を考えれば、求めるべきなのですが、如何せん、あと2か月しか残されていないところでは、できることの完成度を高めるしかないという現実的な判断に立たされるでしょう。

ボールキープ力の差とか、ゲーム・テンポのスムーズな選択とか、シュートの決定力もそうですが、そういうものは2か月やそこらで世界のベスト10レベルにはなかなか追いつけない。
それを北京での本番3連戦で、組織力、走力、身体を張った守備などで僅差のゲームに持ち込んで、あわよくばの勝ち点「3」に持ち込むというのが、現実的な判断ということになるんでしょうね。

日本とチリの選手がゲーム前にアップをはじめたときに気がついたこと。
チリの選手は、アップで30mとか50mの全力疾走をするときにまっすぐ走りません。ほとんどの選手が弧を描いて走ります。50mだと、2つの弧を描いてS字を描いて走ります。選手同士でぶつかるんじゃないかと思うような全力疾走を何度か繰り返します。彼らはアップのときから、自分のゲーム中での動きをイメージトレーニングしながら、そういう走り方をしているわけです。
今回の参加チームで、チリがゲーム中にいちばんポジション・チェンジを繰り返すチームです。
ポジション・チェンジといっても、セットプレーのときのポジション・チェンジではなく、右肩にいたはずの選手がドリブルしながら左の2列目に流れて、左の2列目の選手が左のトップにオーバーラップして、左のトップの選手が2列目の中に入ってというようなシフトを同時に行いながら、パス交換をします。そういう自在さをどのようなトレーニングでチーム全体が身につけてきたのか、ビエルサの指導方法を一度、見てみたいなと思いました。

5月25日。ツーロンより。石川とら。

■追記
5月27日の準決勝「チリ-コートジボアール」戦を見ていて気がついたので、付記しておきます。
チリの「3-3-3-1」のトップの4人は、同一線上に3人が並んだ前にワントップというのではなく、「3-3-4(ダイヤ型)」と考えたほうがわかりやすいでしょう。
トップの4人が必ず四辺形を作り、互いが連携して動きながら、パス交換を繰り返し、ときどき、その4人に左右のサイドMFかボランチが加わって、「四辺形+1」の形になって攻め込んでいきます。
本来、第2列にいるはずのプレーヤーが突然、トップに走り込んできたり、本来、左サイドのプレーヤーがドリブル突破でサイドチェンジをしたりという変化をつけて、相手ディフェンスにパニックを引き起こします。
日本チームもそうでしたが、コートジボアールも、決勝点となった2点目は、それでやられました。

(5月29日付記)
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