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ドイツW杯 開かれた国家

ベルリン議事堂

ベルリンの連邦議会議事堂(国会議事堂)を訪ねた。

ベルリンは、1990年の東西ドイツの統合後、あらためて首都に定められ、十年がかりの首都機能移転事業を経て、首都機能の多くがボンからベルリンへと分割移転された。現在でも市内の各所で首都機能移転にともなう工事が継続中である。

新連邦議会議事堂は1933年に放火された旧ドイツ帝国議会議事堂――ヒットラーが独裁体制を築くきっかけとなった放火事件が起きた舞台であり、ベルリン攻防戦の激戦地のひとつでもある――を大改造したもので、議場の真上の屋上部に巨大な透明のガラスのドームを載せた不思議な建物である。

この議事堂は、一年三百六十五日、朝8時から夜10時まで、ドイツ人はもちろん、われわれ外国人観光客も含めて、大人も子供もだれでも無料で予約などなしで自由に見学できる。申請書もなにもいらない。玄関に並べばよろしい。
エレベーターでガラスのドームに上がると、帝国議会時代からのドイツ議会史についての解説がそれぞれの時代の事件写真とともに展示されている。
遠足でやって来たのか、中学生たちが展示を見ながら、ドームの真下で行われている議会について引率の先生の説明を聞いている。
エレベーターで1階まで下りると、ガラスをはさんで、開会中の議場を見ることができる。ひとりひとりの議員の行動がガラス張りでさらされているのだ。

この議事堂を訪れると、未来の「開かれた国家」とは具体的にはどういうものかが見えてくる気がする。夢想でも不可能なことでもなく、そこまでガラス張りの国会が現実にある。
「ナチスの一党独裁体制をわれわれはなぜ許してしまったのか」というドイツ国民の痛烈な反省が、ガラス張りの議会を選ばせた。
「ドイツは二度とそのような過ちをしません」という決意を世界に知らせようという努力が、外国人にも自由に内部を覗かせる議事堂となっているのである。

国民が歴史認識を共有するというのは、単に歴史知識を共有するということにとどまるのではない。ドイツにおいては、歴史認識を実体のある国家の形として制度化しているといってもいいだろう。

(2005年5月10日「愛媛新聞」掲載)

写真1:ベルリン連邦議会議事堂屋上のガラスのドーム。

写真2:http://tra3.blog43.fc2.com/blog-entry-45.html


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