メサ監督の臆病さに要注意グループA(福岡ラウンド)の4チームでは、実力では日本とキューバの2強がブラジルと中国を大きく上回っているわけだが、たった1試合ずつ各3試合のリーグ戦では、思わぬ番狂わせが起きることもある。それは、7回まで「3-2」でブラジルにリードされた一昨日の試合のとおり。
もしブラジルのラーキン監督がキューバ戦の先発リエンゾでなくとも、最後に投げさせたビエイラあたりを8回に投入してきていれば、日本が逆転することができたかどうか。
ラーキン監督は基本的にMLB育ちの野球人であり、野球とはリーグ戦で戦うものという哲学の人である。リエンゾもビエイラも将来はメジャーを目指す選手だから、リエンゾにはキューバ戦の先発として、ビエイラにはクローザーとして使うとはっきり言い渡していたはずだ。日本の野球人は一発勝負のトーナメント方式で育ってきているから、この一戦に勝つためならスライド登板も当たり前という発想になりがちだが、ラーキン監督にはブラジルが勝つかどうかよりも、若い選手の将来性を考えると、急なスライド登板を命じたりするつもりがなかったということである。
おかげで日本チームは救われたのである。
日本戦第1戦、第2戦の視聴率を聞いたが、ブラジル戦が25・4%(瞬間最高が35・5%)、中国戦が23・2%(同32・3%)だそうで、宮崎の合宿に出かける直前、出版各社の編集者たちから「今回は人気も話題も取れそうにないのでうちでは扱わないでしょう」と断られたことを思うと、やはり世間はこういうトーナメントを嫌いではないんだよとちょっとだけ反論したいところ。
でも、日本人はああいう手に汗握るスリリングな試合が好きなんだろうな。このまま終わったらどうしようと、ネット裏で青くなってゲームを見ていた多くの関係者のことを思うと、ああいう試合展開にしてほしくないが。
当座のライバル国、キューバチームはどうだろう。
第2戦中国戦で2HRを含む15安打12得点で7回コールド勝ちしたキューバチームの強さが目立つかもしれないが、キューバのメサ監督は決して強気ではない。
キューバは第1戦ブラジル戦にI・ヒメネスとF・アルバレスの2投手を投入してきたが、この2人の投手は今回のキューバチームの13人の投手陣のうちの先発の2本柱ともいうべき投手である。日本チームでいえば、マー君とマエケンの2人をひとつの試合に先発、ロングリリーフとして起用したようなもので、投手起用を見ただけで、初戦をなんとしても大事に勝つんだというメサ監督の気持ちが現れていたように思う。
5回に強打の捕手のE・サンチェスに3バントをさせて結局、失敗したが(バントの下手なサンチェスにわざわざ3バントをさせたというのもキューバ野球ではあまり記憶にない)、そういう戦術もふくめて、メサ監督は試合前後の態度とは裏腹に非常に臆病である。臆病な監督というのは手堅くゲームを進めてくるので、その意味でもキューバチームは要注意だと感じている。
第2戦でD・ベタンコート(懐かしい。故障していまでは昔の快速球投手の面影はなくなったね)と故障上がりだが補充招集されたY・ペドロソが投げたので、6日の日本戦にはN・ゴンザレス、D・ヌニェスあたりが投げてくることになるだろう。
メサ監督は、台湾ラウンドで勝ち上がってくるチームが見えてこなければ、今後の投手起用についてはまだ明かせないと、中国戦後に語ったが、1位が台湾、2位がオランダか韓国のどちらになるのか、それ次第で1次ラウンド1位抜けを目指すのかどうかも明言していない。
とりあえずは、日本・キューバとも、サンフランシスコに向けて階段を1つだけ上がったところということか。
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