確かにパワフル、でも非効率な乱打戦。 2次トーナメント(東京ラウンド)の第1試合はこちらのゲームが先に行われた。
先攻のオランダが14安打、2HR、後攻のキューバが12安打で、やはり2HR。ヒットの本数を考えれば乱打戦というゲームになるのだが、どちらもあまり効率的に得点できない。
オランダは満塁3者残塁3回を含めて14残塁。キューバはランナーを出すも、ダブルプレー5。得点はソロHR2本だけで2点。オランダは6回表に3ランが出て引き離すことができ、結局、「2-6」でオランダが勝利。オランダ、決勝トーナメント進出をうかがう大きな金星である。
オランダの先発、Dマークウェル投手に聞いた。マークウェル投手(左腕)は、この試合で6回を投げ切り、9安打を打たれるも、失点は2回裏にAデスパイネに打たれたソロHRだけ。
「ストライクゾーンを広く使えた。ヒットは打たれたが、肝心のところでシンカーをうまく使って打ち取ることができた。『2-1』で勝てるぞと自分で何度も言い聞かせて投げた」
――早い回でデスパイネにHRを打たれて、キューバのパワー打線を怖くならなかったか?
「HRを打たれて、余計に低めにコースをつかなきゃと注意して投げた。これまでのキューバとの対戦で得ているデータと自分の経験を合わせて最高のピッチングをしたと思う」
マークウェルは速球派の左腕投手ではない。変化球を低めに散らす軟投型の投手だ。
どうやったらキューバ打線をおさえることができるかというヒントはこの試合にあるように思う。
キューバは痛いゲームを落とした。しかも落とし方が悪い。
打線は問題ない。まったく不振だったYグリエルに2安打と一発が出た。
ただし、投手陣は壊滅である。7投手を注ぎ込んでの敗戦。先発のIヒメネスが2回に4連打を食らって、早々とKO。二番手のFアルバレスが好投したが、「2-1」の僅差が続いたため、アルバレスを6回まで投げさせざるをえず(67球で降板)、その結果、アルバレスは50球以上投球したため、中4日以上開けてしか登板できなくなった。つまり、2次ラウンドの残りの試合をいちばん頼りになるアルバレス抜きで戦わなければならない。
1敗した以上、ダブル・エリミネーション制の2次ラウンドでは、次に負けたらそこで敗退になってしまうので、残った投げられる投手陣の総力戦でつないで戦う。次の試合(台湾戦)も、そのあとの(日本かオランダのどちらかとの)試合も、投手陣をスクランブルでつぎ込まないといけないのである。
日本に大善戦しながら逆転で敗れたという台湾チームのメンタル・ショックを考えると、明日の「台湾-キューバ」戦は、ややキューバに有利かと思えるが、メサ監督自身、「それなんだ、投手力が本当に痛い問題なんだ」と認めている。
勝ったオランダチームのミューレンス監督に、
――日本と台湾とどっちのチームとやりたいかい?
と聞いたら、
「そうだね。ぼくらは1日、ゆっくり寝て待っていることができる立場になったからね。どちらが来てもいいよ。万全の状態で試合に臨めるんだから」
――オーダーは(一次ラウンドから変わらない)いつものオーダーかい?
「だって勝っているんだから、選手の体調が悪いとかいうことがなければ、絶好調のオーダーをいじる必要がないからね」
と、ときどき日本語も交えてニコニコ応えてくれた。
スポンサーサイト
-->
- http://tra3.blog43.fc2.com/tb.php/485-740cc4a7
0件のトラックバック
コメントの投稿