山本ジャパン先発オーダーの変遷

2月17日から3月12日の2次ラウンド・オランダ戦までの「山本ジャパン」の先発オーダーを書き出してみた。
合宿初試合と山本ジャパン初の強化試合オーストラリア戦の先発オーダーが、チーム発足時点での山本監督の希望オーダーと考えていいだろう。
3月6日のキューバ戦は1次ラウンド突破を決めたあとの、また3月12日のオランダ戦も2次ラウンド突破を決めたあとの消化ゲームという意味合いが強く、勝つことよりも不調なバッターに実戦で打たせて、感覚を取り戻させたいというオーダーだったように思う。
毎試合、毎試合、オーダーを固定しないでよく戦ってきた。勝つために毎試合、猫の目打線にしたということではなかった。打てない長野、あるいは稲葉を山本監督は我慢して我慢して使ってきたと感心する。
当たりが出てなくても使うことによって調子を取り戻させる。稲葉や阿部は1次ラウンドでは調子が出なかったが、2次ラウンドに入ってから鋭い当たりが出はじめ、オランダとの連戦2試合では絶好調になった。
ひとり置いていかれた感じのあった長野にも、12日のオランダとの第2戦で2安打5打点と、やっと当たりが出た。
ゲームが終わって、空港へ向かう山本監督が、「長野がね、1本だけじゃなくて、2本目の打点で、あれで取り戻したでしょう。もう心配ないと思う」とやっと一安心といった感じ。すぐ後ろを長野選手が通り過ぎていったが、ここまで我慢に我慢で頑固に使ってくれた監督を男にしなきゃと、長野がいちばん考えているはず。
短期トーナメントで勝つか負けるかという合理性、確率の問題からいえば、打てないバッターを先発オーダーに入れてくるのがいいのかどうか、その1試合の結果だけを考えれば、このオーダーが正しいのかどうかは疑問のあるところだろう。
ただし、20日間で、全部で8試合を戦って最後に打ち勝つためにという最終目標を考えるのだと、こういう考え方もあるのかもしれない。野手14人を使わねばならない総力戦となった台湾戦で現実に、13人目、14人目の選手が使い物にならなかったというのでは困るのだという事態が起きたのだから。
こういう具合にオーダーを見比べると、山本監督という人は頑固な人である。
長野、坂本、阿部の巨人組にちょっと甘いんじゃないかと、たとえばもう少し角中を使ってみてよというファンもいるだろうし、ぼくも長野にこだわり過ぎと違うかなと思ったりもした。
ただ、そのように不調の選手を使ってでも、決勝トーナメントに勝ち上がったのだから、文句を言われる筋合いなどないはずだ。
山本監督は、何年も巨人戦をいちばん数多く見てきているわけだから、長野のいいときはこう、坂本のパンチ力はこう、慎之助に任せておけば安心とか、自分のナマの目で力量を把握しているわけで、その選手を頼りにしたくなるのはいたしかたないのである。
監督のオーダーに自分を先発で使ってくださいと手を上げたかったら、井端のように実力で勝ち取るしかないのだ。
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