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閑話球題 3

なぜ、日本は敗れたのか?
ドミニカチームの優勝記者会見を長々と引用した。たぶん、速報性を第一とする新聞や日本のスポーツ紙では、ドミニカの選手たちの考え方が紹介されることはほとんどないだろうから、あえてこういう個人的なブログで紹介した。

ドミニカの選手たちといえば、自由奔放なパワー野球というイメージでとらえられることが多いが、それだけではない。産業というものが限られているドミニカでは、MLBのトッププレーヤーにまで上りつめた選手は、ドミニカ社会の超エリートであり、社会の模範生であることが望まれる。選手たちは、国家や国民、ドミニカ社会に対して、自分は寄与しなければならないという意識を常に持つように育つのである。
モイセス・アルーのように父親も名選手、名監督だったというような選手もなかにはいるが、ほとんどの選手は、サトウキビ農家や漁師町の貧しい家で育った記憶を持っている。
「神のご加護とお導きを得て、勝利をえることができました」という言葉にあるように、カトリック信仰がドミニカ国民共通の精神基盤であり、そこから選手たちの人生哲学やチームとしての規律までもが自然と生まれてくる。

日本はプエルトリコに敗れたのであって、ドミニカとは戦わなかったのだから比較のしようはないのだが、宮崎合宿からずっとながめていた限り、日本の選手たちの勝たねばならない、そのために自分はなにをせねばならないのかという意識は、ドミニカの選手たちが持っていたものほど強固ではなかった。
「勝とうと思ってきたから、悔しいです」とはっきり口に出したのは井端と前田と稲葉くらいであったように思う。「自分でできること、自分がやらないといけないことをしっかりやってチームに貢献したい」という控えめな言葉で応える選手のほうが多かった。
「自分たちは勝つんだ。勝てるんだ」という自信をチームとして最後まで持てなかったことが(それは選手もそうであり、山本監督もそうだったから)、「このチームは阿部のチームです」と宣言しておきながら、最後の最後に阿部に賭けられない事態を招いたし、チーム結成から最後の試合までベストオーダーを組めないということにいたったのだと思う。

昨年の9月だったか、山本監督の就任会見の際に、選手会が参加辞退を宣言した結果、限られた期間で(キューバとの強化親善試合と宮崎合宿しかなかったから)勝つチームに仕上げられるのかと、あえて聞いたのは、この問題だった。
王さんが「まあ、選手個人個人は出たくて仕方ないんだから、心配しないでもなんとかなるよ」とおっしゃってはいたが、山本監督は大変なチームを預かることになるなあと思ったものだ。

こんなブログの記事を選手が読むかどうかは知らないが、自分たちの先輩が(選手によっては自分自身も参加していた)血のにじむような思いで獲得したタイトルを、「割り前を余計に寄越さないのなら、こんな大会、出ないでもいいんです」と言った選手会の思い上がった意識が、すでに「勝つチーム」を結成することをむずかしくさせていたと思う。
あの時期はロンドン五輪のすぐ後で、世の人すべてが、スポーツのひたむきさ、けなげさに涙した直後のことであった。そういう時期に、なぜ、自分たちが輝くことができるかもしれない唯一の野球国際大会を、割り前を上げないのならわれわれは拒否するなどという馬鹿な条件闘争をしたのか。過去のことであっても、はっきり書いておこう。多くの野球ファンが「思い上がるなプロ野球」と感じたと思う。
選手会が条件闘争をしたかったのはわかるが、選手会が顧問弁護士たちの国際感覚のないアドバイスに乗って最悪の手を打ったと、ぼく自身は感じている。そのあおりが監督人選や強化日程、サポート体制の構築など、あらゆる面で足を引っ張った。そういう意味では、火中の栗を拾わざるをえなかった山本監督は、最初から背水の陣をひかされたようなものであった。

選手会という主体のない組織のWBCへの意識の低下は、「侍ジャパン」などと名称だけはかっこうがついたものの、参加した選手の代表意識をも低下、拡散させた。
写真雑誌で暴露された宮崎キャンプで起きた規律喪失事件などはその最たる例であるが、そういう事態が起きてしまう選手の代表意識の希薄さについての反省、あるいはチーム編成の基本意識の再構築が今後、必要となるだろう。

フライトの時間になったので、サンフランシスコはとりあえずここまで。
3月22日 石川とら
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