Bye Bye BlackBird大きな四角い車に乗って。
人間3人、犬が1匹、猫が2匹、ケージの中にカラスが1羽。
出かけるときは、まるで民族大移動。
楽しいはずのゴールデンウィークのお出かけ。
今度だけは違う。みんなでお出かけ。カラスを捨てに…。
バイ、バイ、ブラックバード。Blackbird, Bye Bye. #悪ガラス小弥太
秋から冬。ヤタの羽根や翼は完全に生えそろった。
どこから見ても、もう子ガラスではない。濡れ羽色の大ガラスになった。
縄張りガラスの嫌がらせにこりたから、桜の枝にとまっても、静かに隠れている。
30mの飛行訓練も翼で風を切って、なんなくこなせるようになった。
うちの中では、相変わらず、イタズラのし放題。
春になったら、ヤタを放そう。東京の街じゃないところで。
人に迷惑をかけないどこか山の村で。若ガラスの群れが遊んでいるところで。
ヨメさんも、ぼくも、春が来るのを待った。
出かけるところは決まっていた。犬や猫を飼っていると、出かけられる場所は限られる。
毎年、ゴールデンウィークと夏休みは、親類の山中湖の別荘で過ごす。
親類も犬や猫を連れてくるので、人間、犬、猫、大勢集まっての合宿になる。
近くに若ガラスの群れがいなければ、車で走って、群れがいそうな場所を探してもいいだろう。
ヤタは車に揺られても平気だった。ケージの中で「グワッグワ」言いながら、ひとり遊びしている。
野生の群れに入って、こんな都会っ子が受け入れてもらえるのかどうかわからない。
ヨメさんも、娘も、「ヤタ、お前、負けちゃあ、ダメなんだよ。強く生きなきゃ」などと、笑っている。
やっと自然に返すことができるなどと、きれいごとではなく、ヤタを捨てることができるのだ。
翌朝、起き出してみたら、別荘の外ベランダに空のケージがあった。
「ヤタは?」
「飛んでいったわよ」
「ホントかい?」
「カラスの群れが来て、扉開けといたら、飛んでったわ」
「起こしてくれたらよかったのに」
「アッという間よ」
あっけないものだ。ヤタはなにも言わず、飛んでいったのだ。
Bye Bye Blackbird ……→つづく。
Amy Winehouse Bye Bye Blackbird
https://www.youtube.com/watch?v=hPUMoOMBK0w
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