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2017 WBC プエルトリコ、アメリカを叩く

プエルトリコの勝利について思うこと。

野球のゲームというものは、守備と攻撃で成り立っているものだから、ピッチャーが必死にゲームを作ろうとして戦っていれば、自然と、ゲームが落ち着く流れとか落ち着くイニングというものができるのだが。

この試合は、落ち着く間もなく、試合開始直後からのプエルトリコの攻勢、中盤の接戦、終盤の再度の波乱、そして決着へと、あわただしく進んだ。こういうゲームは滅多にない、とても不思議なゲームだった。
ゲームのモメンタム(主導権)というものがあちらにいったり、こちらにいったりではなく、(得点差だけ見ると、アメリカが追いつきかけたように見えたかもしれないが)、実は、プエルトリコがほとんど押し続けたゲームであった。
アメリカは、常に先に仕掛けられて失点を重ね、最終回、1点差まで追い上げたものの、そのまま押さえ込まれたという完敗の試合だった。

まず初回の1番から6番までシングルヒットを6本続けて4得点を挙げた速攻について、試合後の会見で、カルロス・ベルトランは、「アメリカの先発、ストローマンがどういう風にゲームを作ろうとしてくるか、われわれはそれを分かっていたし、それを着実に、プラン通りに実行した」結果だと応えている。

エドウィン・ロドリゲス監督も、「試合の頭からアグレッシブに行くぞ」と選手たちに指示していたと語っている(ストローマンはプエルトリコ出身の選手だし、プエルトリコ代表に呼ばれていた投手なので、プエルトリコの選手たちはストローマンがどんな攻め方をしてくる投手か、よく知っていたのだ)。

ロドリゲス監督は、2013年大会の準決勝で日本が敗れた試合でも、「日本の投手を打ち砕くために、我々はメジャーのスカウティング・システムで、日本の投手陣の投球を解剖して、データ主義に基づいて日本を破ることができた」と、ぼくの質問に応えており、決して、精神野球などではない、どうやってストローマンを攻略するかという技術的なアドバイスをしたうえで、初回から仕掛けてきたと思うべきだろう。

試合が始まったばかりで、どの球種を狙っていったのか、テレビのモニターを見てないので不明だが、ほとんどファーストストライクを狙い打っていること、それも、大振りしないで、コンパクトなスイングで強いゴロをセンター方向に叩くというバッティングだったことを考えると、選手たちに好き勝手に打たせていたのではないと思う。

ロドリゲス監督は、「このゲームは初回からアグレッシブに行け、次の塁を貪欲に狙いにいけ」というのがゲームプランだったと話している。

プエルトリコの選手たちは試合を通じて、よく走った。もちろん、それはモリーナが勢いあまって、三塁ベース上で刺殺されたように、積極的過ぎたためにミスをしてしまったりもしたが、アメリカチームは、先の塁を狙ってくるプエルトリコの選手の勢いに浮き足立ってしまった。プエルトリコは、この試合で単独盗塁を3、ダブルスチール1を記録している。

アメリカのジム・リーランド監督に、「プエルトリコの盗塁策は予期してなかったのか?」と聴いたら――、
「彼らが走ってくるチームであることは知っていたが、これほどに攻撃的に走られるとは思っていなかった。彼らはとにかく積極的に次の塁を狙い、実際、走られてしまった。彼らはわれわれを脅かすことをしてきて、実際、プエルトリコの選手たちはうまく速く走ったというのはそのとおりだ。」

例えば、6回裏の試合を決めてしまったアレナドの一塁悪送球のシーンも、その直前のダブルスチールでランナー二三塁となったから起きている。サードゴロも、二塁ランナーがアレナドの目の前で一瞬、ボールと交錯するように走り、それがアレナドをあわてさせた。

前回大会のプエルトリコは、言ってみれば、キャッチャー、モリーナの巧みなリードで勝ち上がった印象が強いが、今大会のプエルトリコは、それ以外にも、投手力、機動力、攻撃の積極性、ベンチワークなどで、前回大会よりも改善されてきた、強くなったチームだと思う。

ロドリゲス監督自身、「このチームは、1試合勝つ毎に、改善されてきたし、また、若い選手たちが、1勝する毎に、勝つ自信を身につけてきた。われわれはチャンピオンのドミニカの巨人たちに勝ち、今日、アメリカに勝ち、ベネズエラにも勝ってきた。選手たちは1試合毎に自信を深めてきている。そして、ロスの決勝ラウンド進出を決めたわけで、いま、われわれは決勝ラウンドでも、素晴らしい試合をできると確信している」と語った。

日本のプレスとしては、一言、聴いておかないといけないので、
――プエルトリコに1位抜けされると、日本の野球ファンが期待している、日本がプエルトリコにリベンジするチャンスがなくなるんだが?
と聴くと、
「われわれはいま、どこのチームとでも対戦したいと思っている。オランダとはもちろん、日本とだって、対戦したいと思っているし、実際、日本もふくめて、対戦することになるであろう、すべてのチームのすべての打者と投手のデータやビデオをすでに見始めている。われわれは今大会の日本チームがいいチームであることを知っているし、それに備えて、すべては準備完了している(we are ready for Japan)」と応えた。

2017/03/18 石川とら サンディエゴより。

【付記】
プエルトリコ・チーム、明るいチームだね。チーム全員が髪を金色に染めて、髪が薄い選手は、ベルトランやモリーナのようにあご髭を染めて、楽しそうにプレーしている。
98年のフランスのワールドカップのときに、ルーマニアの選手が全員、髪をブロンドにして戦ったのを観たことがあった。
記者会見で、カルロス・コレアが、ぼくたちは若いチームだから、なんだって、楽しく野球がしたいんだ。みんな同じように髪を染めて、それだけで笑えるでしょ。ベルトランも髭で付き合ってくれてる。
――エドウィン、君も金髪なのかい?
ロドリゲス監督、帽子を取って、残念だけど、もうぼくにはそんな可能性はないんだとツルピカの頭を見せて、会見場、大笑い。
ジム・リーランドの沈痛な記者会見とは大違い。勝たなきゃ、笑ってられないんだ。それが勝負というもの。



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