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「歴史教科書」採択に思う

愛媛県教育委員会が県立中高一貫校三校と擁護・ろう学校での扶桑社版の歴史教科書の採択を決定したとのこと。
予想されていたこととはいえ、暑苦しい夏がますます暑苦しくなった気分。

今回の改訂で公立校で扶桑社版の歴史教科書を選んだのは、愛媛県教委と都教委などごくわずか。県内各市の教育委員会はもとより、全国の九九%の公立学校がこの教科書を採用していない。
独自の教育思想で建学された私立校を別にして、愛媛県の中高一貫校などの生徒だけが扶桑社版の教科書で歴史教育を受けることになったのだという事実を愛媛の方々はちゃんと認識しておかれたほうがよい。
適切な教科書であれば、ここまで多数の教育委員会が拒否することはない。編集内容に難がある、あるいは他社の教科書の方が優れていると判断されたから他府県では選ばれていないのではないか。そういう教科書を全会一致で採択したという県教育委の突出した判断はなにぶん愛媛に住んでいない筆者には理解しかねる。

歴史認識というのは、その時代、その時代で左にいったり、右にいったりぶれがちなものだ。
衆院の「戦後六十年決議」は十年前の「戦後五十年決議」にあった「植民地支配」や「侵略的行為」という言葉を省いて、戦争加害国日本という認識はやや後退した。戦後六十年を経て、「みそぎは終わった」という気分に染め上げてしまいたいという右傾化が起きつつあるということだろう。

しかし、日本人がその気になっても、世界の歴史認識はそうではない。日本政府が悲願としていた国連安保理常任理事国入りは、ドイツ、ブラジル、インドと共同提案した安保理拡大案はアジア諸国からさえ後押しを取り付けることもできず、不可能になった。

今回の選挙が「郵政民営化」だけが争点のように争われると、日朝国交正常化問題や靖国公式参拝問題といった日本が直面している問題――実はそれらは日本の政治家の歴史認識が問われている問題なのだ――に対処できない選挙になってしまう。歴史教科書の採択問題も同根の歴史認識の問題なのである。
候補者は歴史認識について、あるいは今回の教科書採択の結果についても態度を明確にすべきであろう。

(2005年8月30日「愛媛新聞」掲載)
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