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日本人が失った元気

クウェートねこ

「発電タービンは日本の数社から到着している。でも日本の企業は機械を送りつけてくるだけで据え付けには来ないからね。だからわれわれの大きなビジネス・チャンスになるわけさ」
クウェートで会ったハリバートン社の技術者の話。

アラブ圏はもちろん、アメリカ、イギリス、韓国、フィリピン、パキスタン、ネパール、南アフリカなど、各国の労働者がクェート経由でイラクの復興ビジネスに参入していた。
「二年いれば家が建つ。ハイリスクでも、これだけ稼げる場所はないからね」
と、パキスタンから来たドライバーも、南アフリカのセキュリティー会社のスタッフも、一か月、国で休暇を取ったら、また戻ってくるんだと話をした。

治安情勢の悪い地域に入ってトラブルに巻き込まれると、日本では「自己責任」という批判の嵐にさらされる。しかし、ビジネスというのは、イラクであろうと、日本国内であろうと、もともと自己責任は言わずもがなの前提ではないか。

セキュリティー・ノウハウもタフネスも失ってしまった現在の日本企業に、イラクに進出しなさいなどとすすめはしないが、どうも日本社会はなにごとにつけノーリスク、ローリスクを優先するお上品な社会になってしまった。

ノーリスクで収益が保証されていますなどとい甘い商売があることのほうが、実は不思議なことなのだ。ところが、日本の企業の多くが、まるで官業や金融サービス業のように、ノーリスクであることを当然のように要求する。
リスクを克服してはじめて収益を生み出すノウハウが蓄積されるのだが、最初からリスク負担はしないで収益の分け前だけ得ようとするのでは、新規ビジネスの芽は育たない。

海外を出歩いてみると、日本企業、日本人の元気のなさが気にかかる。中国や韓国のビジネスマンと出会わない国はない。三十年前、四十年前に日本企業が開拓した市場を彼らがとって代わりつつある。治安が悪かろうと、気候風土が厳しかろうと、彼らはその国に住み着いて新しいビジネスを開拓している。

長過ぎた右肩上がりの時代に、日本人は自分たちの元気を置き忘れてきてしまった。リスクや失敗を恐れない企業心理を社会全体で再構築していくしか元気を取り戻す方法はない。

一年間のご愛読に感謝。

(2005年9月27日「愛媛新聞」掲載)

写真:クウェートのネコたちはクーラーの水滴の下で団子になって眠る。気温45度にもなると、団子になったほうが涼しいのだ 



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