トヨタカップ余談1 「サダム逮捕だって?」
「1-1」で同点のハーフタイム。
サダム・フセインがティクリートで逮捕されたとの噂。
本当なのかどうなのか。テレビでテロップで流された由。顔見知りの外国人プレスたちにも伝える。サダムの逮捕が少しでも平和に貢献するなら、悪いニュースではない。みんな「本当かい?」と言いながら、少しいいニュースだねという感じに表情がなごむ。
世界では毎日どこかでなにかが起きているわけで、このニュースだけが特別なわけではないのだが、ぼくの心のどこかには「サッカーばっかり観てて、いいのかな」というちょっと後ろめたい気分がいつもある。
世界がまだ戦闘、戦乱、争乱状態にあるということを実感させるそんなニュースが届いた日に、こうして何万人もの人が素晴らしいゲームを観ているというなんと平和な光景。イラクの人々には申し訳ないのだけど、なんて幸せなことか。
トヨタ杯がヨーロッパでも南米でもない、第3者的な平和で安全な日本で開催されているという意義を再認識してもいいかもしれない。
考えてみれば、12月14日は吉良邸討ち入りの日であれば、サダム・フセインがその日に捕らわれたというのもまんざら不思議ではない気もする。そういえば、包帯を頭に巻いて右に左に走りまわるボカの「5」バタグリアは堀部安兵衛みたいにも思えてきた。
アルゼンチンの経済恐慌以来、経営難のボカにとって、またボカの若手選手にとっては、世界に放映されるトヨタ杯は自分の将来を賭けた「討ち入りの戦い」でもある。1月からの移籍市場でヨーロッパのチームから指名を得るための晴れ舞台だとしたら、ボカの選手たちにはミランの選手たちとは違うモチベーションがあったはずだ。
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